設備の中途半端なバリアフリーは印象が悪い理由
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あなたのお店の『バリア解消』請負人 白倉栄一です。
最近行ったスポットで感じたことをご紹介します。
そこは設備がバリアフリー化しているものの、
一部の場所においてバリアの課題があるので、
利用する人にとっては
不満の残るようなスポットになっていました。
中途半端なバリアフリーがもたらしてしまう
影響を考えてみたいと思います。
バリアフリーの中に明らかなバリアが印象に残るケース
敷地全体がバリアフリーになっているので、
車椅子でも利用しやすくなっています。
多目的トイレがあり、
身障者用駐車スペース(事前予約制)、
段差解消のスロープなども設置されていました。
ところが一部の場所が残念なことに
バリアフリーになっていませんでした。
1つ目は、自販機置き場です。
その場所には飛び石が設置されているので、
車椅子で入ることは難しくなっていました。
美観のためにあえて飛び石にしたのではないかと
思いましたが、明らかに車椅子で利用できない
構造になっていました。
敷地全体がバリアフリー化されているだけに、
バリアになっている箇所が
逆に目立っていました。
2つ目は、通路です。
通路全体は、スロープなどを設置しているので、
車椅子での走行が可能になっていました。
ただ途中にあるわずか5Mの部分だけが、
大きな敷石が設置されていました。
かなり大きい敷石なので、
車椅子走行は前輪キャスターを
上げなくては進むことができませんでした。
しかも車椅子が左右に揺れるくらいの
大きな敷石なので、走行にはかなり危険です。
さらに一般の人にとっても、
雨などが降ったら
ツルツルした大きい敷石なので
滑りやすいでしょうし、
転んでケガをすることも考えられるでしょう。
なぜその区間にだけ敷石を
設置しなければならないのか
どうしても気になりました。
コストの問題があれば心のバリアフリーでカバーする
もちろんバリアフリー化していない
スポットが多い中で、
バリアフリーへの取り組みをしていることは、
利用者にとって、とてもうれしく感じるでしょう。
でも上記2点が誰にもわかるような
バリアになっていることが、
とても悪い印象になってしまうことが残念でした。
人は期待をさせておきながら、
実際に現地で利用できないようなことがあると、
ものすごく不満を感じてしまいます。
そういった意味を考えると、
上記2点がバリアフリー化は大事なポイントであり、
もし改善されるとプラスの印象になるでしょう。
あとはコストの問題で
どうしてもバリアフリー化できないとすれば、
心のバリアフリーで
対応することではないでしょうか?
例えば、敷石の走行については、
「車椅子利用の場合には、
お気軽に係員をお呼びください」
とかにすると、設備がバリアな部分であっても、
車椅子利用者が安心してスポットを
使うことができるのではないでしょうか?
そのため中途半端なバリアフリーは
人の気持ちを裏切ってしまうために、
十分注意したいものです。
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