“うちには関係ない”はもう通用しない|たった1段の工夫が新たな顧客を呼び込む
バリアフリーアドバイザーの白倉栄一です。
バリアフリー対応はもう「一部の人のため」だけではありません。
超高齢化社会のいま、誰にとっても快適なお店づくりが求められています。
このシリーズでは、企業経営者の皆さまに向けて、バリアフリー導入のヒントや事例を、経営目線でわかりやすくお伝えしています。
バリアフリーは、選ばれる理由になる時代。
ぜひ貴社の経営にお役立てください。
POINT|「来ないから必要ない」はチャンスを逃す考え方
「うちには障害者・車椅子利用者は来ないから、バリアフリー対応は必要ない」と考えるお店は少なくありません。
たしかに階段しかないような店舗や、賃貸物件で改修が難しいケースもあるでしょう。
しかし、もし入口にたった1段の段差があるだけなら、工夫次第で状況は大きく変わります。
その小さな工夫が新たな顧客層の来店につながり、お店の評判向上やリピーター獲得にもつながるのです。
REASON|小さな配慮が大きな信頼を生む
今でも忘れられないエピソードがあります。
友人と静岡県浜松市の有名なうなぎ店を訪れたとき、入口には1段の大きな石段がありました。
「これは無理かも…」と思った瞬間、女将さんが手作りの木製スロープを持ってきてくださり、簡単に入店できたのです。
うなぎの味もさることながら、その心遣いに感動し、強く印象に残った体験でした。
ほんの小さな工夫が、車椅子利用者にとっては大きな意味を持ちます。
EXAMPLE|市販のスロープ1つでできるバリア解消
木製スロープでなくても、市販の簡易スロープを用意するだけで、1段の段差は解消できます。
その程度の工夫で「行きたくても行けなかった」お客さまが安心して来店できるようになるのです。
20年前にそれができたお店が存在した一方で、今なお対応できていないお店も多いのが現実です。
車椅子利用者にとって「入れる」お店は貴重な存在。リピーターになりやすく、口コミ効果も期待できます。
POINT|情報発信が“来たい人”に届くカギ
さらに重要なのは情報発信です。
スロープがあることをホームページや飲食店検索サイトに掲載したり、店頭に告知したりするだけで、バリアフリー対応を求めているお客さまに情報が届きます。
ほんの一工夫で「行きたい!」と思っているお客さまが安心して足を運べるようになるのです。
ぜひバリアフリーの専門家のアドバイスも取り入れながら、より多くのお客さまにやさしいお店づくりを進めてみてはいかがでしょうか。
バリアフリー対応は「お金がかかる」から「お客さまに選ばれる理由」に変わる時代です。
まずはできるところから、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。
このシリーズでは、今後も経営に役立つバリアフリーの知恵や事例をご紹介していきます。
ぜひ次回もお楽しみに!
関連する投稿
- バリアフリー対応に欠かせないエレベーターにおけるわずかな工夫とは?⭐︎
- 車椅子で走行しにくい平らな道の種類とは?
- 店舗や施設における今後のバリアフリーの設備課題について⭐︎
- 車椅子ユーザーにとって「道の駅」の建設でトイレへの安心が増えた
- イメージだけで判断しない新しいバリアフリー商品の在り方⭐︎
現在の記事: “うちには関係ない”はもう通用しない|たった1段の工夫が新たな顧客を呼び込む