身障者用駐車スペースがなくても心のバリアフリー対応ができること

2019.02.18 (月)

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あなたのお店の『バリア解消』請負人 白倉栄一です。

 

たまに見かけるのが、

身障者用駐車スペースを

一旦設置したにもかかわらず、

何かの理由でその専用スペースを

取りやめるケースです。

 

なぜそう思えるかと言いますと、

路面に描いた国際シンボルマークである

車椅子のマークがうっすらと残っていて、

消した様子が分かるからです。

 

このような中途半端な状態のままでは、

利用者からのクレームを

覚悟したほうがいいかもしれません。

 

だからこそ慎重な対応が必要になります。

今まであったものがなくなるのはクレームになりやすい

もちろんきれいに消したとしても、

普段から利用されている方からの

クレームはあるかもしれません。

 

でも初めて利用する人は、

きれいに消されていれば気がつかないでしょう。

 

中途半端な形であると、

初めて利用する人からも

クレーム対応をしなければなりません。

 

車椅子利用者からすると、

「なぜ今さら身障者用駐車スペースを

消さなければならないのか?」と

疑問に思うことはまちがいないでしょう。

 

バリアフリーだったものを

あえてバリアにすること自体、

あまりいい気分ではないからです。

 

ただ施設側の理由から考えてみれば、

いくつかの考えがあるから

消す必要があったと思います。

 

専用スペースを利用する人の頻度が少ないとか、

 

全体の駐車場の利用者が多い中で

毎回専用駐車スペースだけが空いているので

非効率になっているとか、

 

もしくは専用駐車スペースのマナーの悪さから

一般の人がとめてしまうことが多いなどによって

 

あえてスペースをなくしたはずです。

 

よくあるのが、一般の利用者から

「なぜあの専用駐車スペースだけが

空いているんだ。それならば

一般の人に解放すべきだ。」などと

強いクレームを言う人がたまにいるからです。

 

施設側からすると、

そのクレームに対応しなければ、

一般の利用者から

引き続き責められてしまうでしょうし、

逆に対応してしまうと、障害者差別などと

責められてしまうでしょう。

 

はっきり言って、

どちらにしても難しい決断に

なってしまいがちです。

 

管理する立場にとっては辛いと思います。

設備のバリアを心のバリアフリーで対応できるようにする

あくまでも私の考えですが、

下記のような基準で考えることと、

もしどうしてもスペースを削減するにしても、

心のバリアフリー対応をすることを

考えるべきでしょう。

 

そしてなぜそうしたのか

堂々と答えられる準備をしておくことです。

 

まずは駐車場としての基準ですが、

ショッピングモールのような大型施設の場合は、

今後の超高齢化社会に伴い、

全体の駐車台数に対して、ある一定数の

専用駐車スペースを確保しなければなりません。

 

そのため専用スペースは現状の台数分

もしくは増やしていく必要があるでしょう。

 

但し、全体の駐車台数が10台前後で

専用スペースが1台あるような場合は、

車椅子で利用されるお客さまの人数が

多いか少ないかで判断すべきかもしれません。

 

明らかに該当のお客さまの利用頻度が

少ないのであれば、

専用スペースを用意しても

誰も使わないことが、

施設側にとって維持しづらい

ケースにもなるでしょう。

 

最近は身障者用駐車スペースは設置されても、

建物内のバリアフリー(多目的トイレなど)が

完備されていないために、

あまり利用度が上がらないような場所も

よく見かけます。

 

専用の駐車スペースだけがあっても、

実はバリアフリーとしてお客さまに

あまり役に立っていないケースもあるでしょう。

人に優しい対応があれば事情を分かってくれる人もいる

ここで大事なことは、

もし専用スペースを上記の理由で消しても、

心のバリアフリー対応だけは

維持・向上し続けることをきちんと行うことです。

 

どうしてもそのスポットに行きたいと

思うお客さまがいらっしゃったら、

その都度お店に電話をかけていただければ、

駐車スペースの2台分を用意するとか、

車椅子の乗り降りできるスペースを

用意する対応をとることです。

 

そして駐車場の有無に関わらず、

なぜ増やしたのか減らしたのかを質問されても、

きちんと答えられるように

いつでも準備をしておくことです。

 

専用の駐車場があったほうがうれしいのは

もちろんのことですが、

もし専用の駐車場がないとしても

心のバリアフリーで

対処できることが利用するお客さまのために

なると思っております。

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