車椅子のバリアフリーは介助者がいなくてもOKなレベルへ

2018.03.09 (金)

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バリアフリースタイル代表の白倉です。車椅子利用者が来ないからバリアフリーにしない、儲からないからやらないという方は情報が遅れています。超高齢化社会における車椅子利用者は増加傾向です。そういった点を踏まえると、今後の動向を知ることが次なる新たな一歩につながるでしょう。ではどういった状況なのでしょうか?

車椅子利用者の増加傾向は止まらない

日本における身体障害者は約400万人いる中で、約54%が肢体不自由者といわれております。肢体不自由者の中には、障害レベルがいろいろとあるので、必ずしも車椅子を利用している人ばかりではありませんが、車椅子利用者は正確な数字こそないものの、200万人近くはいるでしょう。

 

超高齢化社会に伴って約3500万人が65歳以上の高齢者となっております。日本の人口の約4分の1以上を占める割合です。もちろん65歳以上という括りではまだまだ働き世代も多いため、車椅子を利用している人は大幅に少ないでしょう。でも後期高齢者75歳以上となると、車椅子利用者は多い割合になるはずです。

 

日本人の平均寿命が男性81歳・女性87歳とされています。しかしこの平均寿命まで元気でいられるかというとそうではないケースがあります。そこで用いられるのが健康寿命です。この健康寿命は平均寿命の10歳手前といわれているため、女性であれば77歳・男性であれば71歳となってしまいます。

 

しかも団塊世代は2025年までにはこの健康寿命の年齢を超えていきます。そうなるとやはり超高齢化社会における車椅子利用者は増えていくのはまちがいありません。状況によっては、必ずしも介助する人がつくとは限りません。1人で車椅子を操作して外出しなければならない日が来るでしょう。

単独でも車椅子利用者が気軽に行ける店づくり

そこで考えなければならないのが、車椅子利用する人が単独でも対応できるお店づくりが求められます。上記の人数を考えれば、1人で車椅子を操作して外出してくる数のお客さまに対応できるかどうかがお店の差別化につながりますが、残念ながら現時点では、そのレベルに至る対応を打ち出している企業は少ないと思われます。

 

車椅子利用者からよく話をいただくのは、世間のバリアフリーについては、誰か介助の人がいて成り立つような社会になっているとのこと。例えば、駐車場の身障者用駐車スペースには赤いポールが設置されている点など、車椅子利用者が単独では不都合な状態になっていると言えます。誰かが赤いポールを動かしていただかないと利用することができません。

 

それ以外にも、ホテルのシャンプー置場・シャワーの場所などにおいても、車椅子利用者が届かないところに置いてあったりします。誰か介助者とともに宿泊することが前提になっているのでしょう。身近な中では、エレベーター乗り場に掲示してありますが、車椅子利用者による単独の利用は禁止しますとなっていたりします。

行けるところがあるとわかったらそのお店だけに行く傾向

こういった状態が世間に蔓延しているものの、車椅子利用者による単独利用が増えていきながらも対応できていない状況です。そのため気軽に単独利用できる体制にもっていけること、つまり様々なバリアフリー対応ができるお店こそが選ばれるように変わっていくにちがいありません。

 

行けるところが少なければ、行けるところこそがリピーター化につながります。経営者の皆さまにはニーズが少ないならやる意味がないと勘違いされている方もいらっしゃいます。ニーズが少ないのは、行けない場所だから誰も来ないのであり、まさににわとりが先かたまごが先かの問題です。大事なポイントは、世間の状況をいち早く把握することであり、気が付かなかったニーズが掘り起こせるようになると、店舗の差別化につながります。

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