店舗運営にはおさえておきたいバリアフリー【駐車場編⑤】

2019.01.30 (水)

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あなたの『バリア解消』請負人 白倉栄一です。

 

小売・飲食店の身障者用駐車スペースですが、

注意しておかなければならないことがあります。

 

それは「傾斜がないこと」です。

 

現在、身障者用駐車スペースがあって

傾斜があるとしたら、

できれば改修工事をおすすめしますし、

今後設置予定であれば、

ぜひとも知っておいたほうがいいでしょう。

ビー玉を置いて転がる位でも駐車場としてNG

傾斜があった場合は

乗り移りしにくいということももちろんですが、

クルマのドア付近に用意した

車椅子が動いてしまうことで、

事故につながるケースもあります。

 

クルマのドアを開けて、車椅子を置いたものの

車椅子のブレーキを外した途端に

「あれれ…」とクルマから離れていく

経験をしたことがあります。

 

たぶん私だけではなく、

普段から車椅子利用者の方でも

同じような経験をした人がいらっしゃるはずです。

 

なぜそうなってしまうのか?

 

駐車スペースが傾斜になっているからです。

 

一般の人が歩く場合には、

あまり気にならない傾斜であっても、

車椅子に乗っていると

「この路面には傾斜がある」とすぐに分かります。

 

イメージ的には、

テレビで建築された欠陥住宅について

ニュースやドキュメンタリー番組で

ビー玉を床に置けば転がっていくシーンを

見かけたことはありませんか?

 

そのシーンと同様に車椅子においても

たったわずかの傾斜でもタイヤは動いてします。

 

そこで起きてしまうのは、車椅子利用者が、

手元から車椅子が無くなってしまうと、

乗り移りができなくなります。

 

しかもその場に誰かがいなければ、

動いていってしまった車椅子を

取りに行くことすらできません。

 

SOSを出すために「誰か助けて~」と叫んでも、

まわりに誰もいなければ、

サポートしてもらうこともできないでしょう。

 

そういった誰もいないようなシーンは、

意外と遭遇することがあります。

 

傾斜があると事故にもつながるので注意

でも本人だけの問題ではない場合も

あるので更なる注意が必要となります。

 

すぐ隣にクルマがとまっていたら、

車椅子が衝突することで、

弁償問題になってしまうこともあるでしょう。

 

状況にもよりますが、

その弁償料をどうするかと考えた場合、

そのような傾斜のあるスペースを用意した側にも

責任が課せられることも考えられます。

 

私もサラリーマン時代には、

ショッピングモールにて

利用されているショッピングカートが

駐車場にとめてあったお客さまにぶつかって、

クレームになったことがありました。

 

カートをきちんと片付けて

帰らなかったお客さまの責任とはいえ、

そのお客さまが誰なのかは分かりませんし、

私がクレームの窓口として対応しました。

 

こういったことも含めて、

企業側がクレームの対応をしなければならない

事態は絶対に避けたいものです。

 

でも傾斜があったらトラブルになるのは、

実はこれだけではないんです。

もっと深刻になる問題もあるんです。

 

 

それは幹線道路などと接している場合

傾斜があることで車椅子がころころと動いて

敷地内を出てしまったら、

走行しているクルマに衝突することも

考えられないわけではありません。

 

そうなると単なる

物損事故では済まないはずです。

 

50キロなどで走行してきて、

いきなり車椅子が目の前に現れたら大変です。

歩道から人が飛び出してくるシーンと

変わらないでしょう。

 

そのため身障者用駐車スペースの傾斜は

重要なポイントになります。

 

もし施工するのであれば、

傾斜を絶対に発生しないように

したいものです。

 

そういった点を踏まえて

傾斜のないように対策を打っておくことが

必要になるでしょうし、

利用者の皆さまに対して

安全・安心の施設であることを

心がけたいものです。

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