車椅子でも入れるバリアフリー化で売上が何倍にも上がる理由とは?
Contents
あなたの会社の『バリア解消』請負人 白倉栄一です。
世の中における商業施設のバリアフリーの導入が遅れてしまうのは、ネガティブなイメージと捉えてしまう人が多いからです。
どうしても「コストがかかる」「儲からない」などと考えてしまう人がほとんどです。
そうなると車椅子利用者のニーズがあることがわかっても、想いだけでは動けないと判断してしまいます。
お店を経営している立場からすると、お金に余裕がなければ当然できない気持ちは分かります。
私もサラリーマン時代は、ショッピングセンターの人事総務課長として、年間経費の管理をしていたので、予算オーバーになってしまったり、費用対効果を考えたうえで実行していました。
そういった状況の中で、コストは意識しても、バリアフリーにすることで収益につながるとなったらどうでしょう。
今までのようなコストだけがかかるというネガティブな見方から大きく変わっていくはずです。
しかも収益に加えて、社会貢献にもつながってお店の評判が上がるとなったらどうでしょう。
検討してみる価値はありませんか。
バリアフリーにしたら〇名のお客さまが増加する理由
よく経営者の皆さまが感じていることは、次のようなことです。
「もし仮にバリアフリー化を導入したとしても、車椅子利用者1名が来店されただけでは儲からない。だからコストだけがかかってしまう」
車椅子利用者1名の来店だけでは儲からないという意見ですが、実際に1名の来店になるかと言えば、そうではないことが多いでしょう。
しかも高齢者の方々であれば、ご家族と一緒に訪れることがほとんどです。
その場合は、車椅子利用者1名につき、2~3名の人数が加わることになるでしょう。
さらに車椅子利用者がサラリーマンをしていればどうなるでしょうか。
会社の送別会・忘年会などがあれば、会場はバリアフリーではないので、車椅子利用者は参加できませんとはならないわけです。
幹事の方は、車椅子でも入れるバリアフリーのお店を探すでしょう。
そうなれば、車椅子1名につき10人以上の人数が加わることになります。
昔の友人との同窓会などであっても、大勢になるでしょう。
場合によっては、50人とかの大勢の人数になる場合もあります。
そうなればものすごい売り上げになるでしょう。
なぜそうなるかは、バリアフリーのお店ででなければ、車椅子利用者は行くことができないという簡単な理由です
しかも次回どこで開催するかという話になれば、また同じお店でやることになるわけです。
なぜなら世の中で車椅子でも気軽に入れるお店は、都内においても100軒に1軒の割合でも存在しないからです。
嘘のように聞こえるように思いますが、車椅子利用者にとって一番重要ようなポイントが100軒に1軒の割合でも見つからないからです。
車椅子で入れるトイレがあることが重要なポイント
それはトイレ問題です。
誰もがお店に入って気軽に行くことのできるトイレですが、車椅子利用者にとって一般のトイレに入ることができないんです。
その大きな理由は、スペースの問題です。
車椅子そのものは縦が90cm以上、横が60cm以上あります。
そうなるとトイレのスペースは、トイレ内で転回することも考えると、縦2m×横2mクラスのスペースが必要になります。
せっかく居酒屋さんに行ったのに、途中でトイレに行きたくなってもトイレに行けないのであれば、参加できないことがよくあります。
もちろん段差がなかったり、通路幅などの課題もありますが、トイレは他の人がサポートできるものではないからです。
そこで、車椅子利用者は料理よりもバリアフリーであることを優先せざるを得ないのが本音なんです。
それが車椅子で入れるトイレのあるお店を100軒探しても1軒も見当たらない中で、唯一の1軒になったらどうでしょう。
お店に対する見方が大きく変わるんです。
スゴイと思いませんか。
旅館では実際にバリアフリーで効果が出ているところもある
実際にある県の旅館組合の事務局長から次のようなエピソードを聞いたことあります。
「バリアフリーなんて導入したって儲からない。それならばいろいろな企画を考えたほうが儲かりますよね」
という話で以前は盛り上がっていたものの、ある旅館で車椅子利用者1人に対して、地域に住んでいる人たち12人がいらしたという出来事があったそうです。
それ以来、「バリアフリーはビジネスツールになる」という話が女将さん会で話題になっているといった話を聞きました。
日本においては、バリアフリー法が施行されているとはいえ、大型商業施設や公共性の高い施設以外は、義務化されていません。
だから多くの経営者は、バリアフリー化にしなくてもいいと判断してしまいます。
でも見方を変えれば「誰もがやらないから、ブルーオーシャン的な存在となり、価値が上がるのがバリアフリー」とも言えます。
収益につながるビジネスツールとしてバリアフリーがあるのであれば、チャンスかもしれません。
むしろ車椅子利用者が喜ぶだけでなく、収益にもつなげることで、お互いに喜べることがすばらしいでしょう。
ぜひご検討してみてください。
関連する投稿
- 車椅子利用における病院のバリアフリー事情について
- 造ってみたら「使いにくいバリアフリー」になっちゃった!を避けるためには?
- 車椅子ではなかなか行きにくいスポット「美容・理容室」
- 店舗のバリアフリー化は集客による売上効果・人に優しい企業の証になる
- バリアフリーをビジネスツールにすればパイオニアになる可能性がある
現在の記事: 車椅子でも入れるバリアフリー化で売上が何倍にも上がる理由とは?