車椅子走行は段差がなければ大丈夫だと思っていませんか?

2017.11.01 (水)

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車椅子ライフデザイナーのまおうです。階段のような段差や急勾配がなければ大丈夫だと思っていませんか?実際に車椅子に乗ってみればわかると思いますが、なかなか車椅子に乗る機会はないので分からないのも仕方がありません。ではどういったものが車椅子ユーザーにとって辛いものなのかご紹介します。

ヨーロッパ風の石畳は車椅子走行がしにくい

最近はおしゃれな建物が多くなっているので、建物に行くためのエントランスなどもおしゃれになっております。そこで気になるのが石畳です。ヨーロッパのような石畳を取り入れている建物をよく見かけます。車椅子ユーザーやベビーカーを利用されている方にとってはバリアになっています。

 

車椅子の場合には前輪キャスターが石畳にはまってしまいます。隙間が小さい場合ははまるまでには至りませんが、走行上でガタガタします。どうしても前輪キャスターからの振動が身体に響いてしまいます。そういった点についても施工時に考えていただけると助かります。もし石畳にするのであれば、石畳ではない通路を1本用意して下さるだけでありがたいです。

 

グレーチング(排水路にかける蓋)も前輪キャスターがはまってしまいます。グレーチングに対して斜めに走行することが車椅子走行のテクニックですが、グレーチングの隙間が大きい場合には斜めの走行をしても前輪キャスターが落ちる場合もあります。前輪キャスターが落ちると車の急ブレーキのような状態になり、車椅子から身体が投げ出されてしまいケガに至ります。

 

一般の道路や駐車場の坂道にある道路の〇穴は車椅子走行ができません。滑り止めのような工夫をしているのだと思いますが、車椅子走行の場合は前輪キャスターがひっかかってしまいます。駐車場の坂道は車だけが通るものですが、一般の住宅地にある道路は車椅子ユーザーでも利用する公共の道路であるため、改善が必要だと思われます。

 

視覚障害のある方のために用意されている点字ブロックも車椅子ユーザーにとっては、かなりガタガタします。もちろん点字ブロックを取り付けることが優先事項ではあるものの、点字ブロックと同等の効果があって、車椅子ユーザーに段差として感じにくいものが将来設置されることを願っています。そうなることで視覚障害でも車椅子ユーザーでも使いやすいものになると思っております。

大多数の人のために作られているものがほとんどの世の中

今までご紹介してきたものは、車椅子ユーザーやベビーカーを利用する人でなければ感じることのないバリアです。世の中のほとんどのものは大多数の人のために作られています。そのため少数派の人のためには作られておりません。10人に1人の左利きの人のために考えられているものでさえ少ないのが実態です。それだけ自分には気がつかないこと=関心のないことになりがちです。

 

今後は、少数派である車椅子ユーザーの声を取り入れていれば施工する際に気を付けることができるはずです。今後は高齢化社会の到来に伴い、車椅子を利用する方が増えるはずです。「うちの施設は車椅子を利用される人がいないから別に関係ない」と思っていると客数は自然に減っていくでしょう。バリアフリー化は時代の流れです。だからこそもう一度利用される方の目線に立つことが、お客さまに喜ばれる施設になるでしょう。

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