「“高級”なのに残念?バリアフリーで失敗しない宿泊施設づくりのヒント」

2025.05.10 (土)

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バリアフリーアドバイザーの白倉栄一です。

 

今回は、バリアフリーにおいて意外と見落とされがちな「あるある失敗例」についてご紹介します。

 

私は年に数回、飛行機を使って旅行を楽しんでいます。

 

そのたびに悩むのが、どのホテル・旅館に宿泊するかということです。

 

せっかくの旅行ですから、たまにはビジネスホテルではなく、ちょっとおしゃれで高級な宿に泊まってみたいと思うものです。

 

しかし、そこで思わぬ「使いづらさ」に直面することが少なくありません。

 

高級であること=快適とは限らない。

 

これは、車椅子ユーザーにとっては切実な問題です。

 

車椅子利用者にとっては「優雅さ」よりも「機能性」が大切

 

 

 

高級ホテルや旅館の宿泊料金は、1泊3万円前後が相場。

 

一方でビジネスホテルは1万円前後です。

 

高級宿であれば、美味しい料理や温泉、広々とした部屋など、価格に見合う満足感を期待しますよね。

 

ですが、車椅子を利用していると、事情は少し違います。

 

以下のようなケースが実際にあります。

 

  • ① エントランスから部屋までが遠い
    高級ホテルは絨毯がふかふかで豪華ですが、車椅子では進みにくく、長い距離を漕ぐのが負担になります。
  • ② 豪華な内装のために基本設備が不足
    広さはあっても手すりがない、床が滑りやすい大理石仕様になっているなど、安全性が損なわれていることも。
  • ③ 浴槽の設計が実用的でない
    手すりのない風呂、スタイリッシュすぎて入りづらい浴槽など、「見た目優先」で使いにくい事例が目立ちます。

温泉旅館に来たのに温泉に入れず終わることも

 

 

 

高級宿に泊まっても、温泉に入れなかったり、設備が使いにくかったりすることで、満足度が下がってしまうことがあります。

 

温泉があるのに入れず、入湯税だけを支払うことになると、残念な気持ちになるのは当然です。

 

とはいえ、快適な非日常を味わいたいという気持ちもあります。

 

病室のような雰囲気の部屋ではなく、「使いやすさ」と「おもてなし空間」の両立が求められているのです。

 

これからの時代、利用者目線がカギに

 

 

 

高級であること自体は素晴らしいことです。

 

しかし、「誰もが使えること」を前提にしなければ、その価値は半減してしまいます。

 

これからは超高齢化社会。車椅子利用者の人口もさらに増えていきます。

 

バリアフリーは、今後の集客や評価にもつながる「新しいおもてなし」のカタチです。

 

だからこそ、今このタイミングでバリアフリーに取り組むことを強くおすすめします。

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