「“バリアフリー可”だけでは伝わらない!選ばれるための情報発信術」
バリアフリーアドバイザーの白倉栄一です。
店舗や商業施設でバリアフリー対応をしている場合、重要なのは「具体的に何がバリアフリーなのか」を明確に発信することです。
よく見かけるのが、「バリアフリー可」とだけ記載された情報ですが、これでは利用者が判断しづらくなります。
「バリアフリー」という言葉そのものが抽象的であるため、具体的な内容を伝えることが、人にやさしく、かつ集客にもつながるのです。
そこで今回は、選ばれる施設になるための情報発信のポイントをお伝えします。
顧客目線の情報発信でなければ伝わらない
情報発信で最も大切なのは、「顧客目線」になれているかどうかです。
施設側の目線で「段差がない=バリアフリー」と解釈して発信しているケースも多く、当事者からすると、必要な情報が不足していることがあります。
もちろん段差がないことは重要なポイントではありますが、それだけでは利用の決め手にはなりません。
バリアフリーの基本的な判断基準としては、以下の4つが挙げられます。
- 段差がないこと
- 通路幅が確保されていること
- 車椅子で使えるトイレがあること
- 障害者用駐車スペースがあること
もちろんこれ以外にもチェックポイントはありますが、まずはこの4点を明記するだけでも、利用者にとっては大きな判断材料になります。
利用者が求める“具体的情報”とは?
判断材料として、さらに信頼性を高めるためには、「画像」と「寸法」の情報が効果的です。
車椅子対応トイレひとつをとっても、障害の状態によって必要とされる設備は異なります。
オストメイトやユニバーサルベッドの有無など、文字では伝わりにくい部分も、画像があれば一目で判断できます。
また、手動車椅子と電動車椅子では、サイズに大きな差があります。
そのため「車椅子OK」と書かれていても、電動車椅子の方には通れない通路や狭いトイレが存在します。
通路幅やドアの開口部の寸法を明記しておくだけで、利用者が事前に判断できる材料となります。
つまり、「バリアフリー可」だけでは曖昧すぎて選ばれません。
もう一歩踏み込んだ具体的な情報こそが、選ばれる理由になるのです。
情報発信は集客にもつながる“資産”になる
利用者が判断できる情報がないと、「電話で問い合わせ」「メールで確認」などの手間が発生します。
これは利用者にとっても、店舗側にとっても面倒なやり取りになりがちです。
逆に、あらかじめ丁寧に情報を発信しておくことで、判断の手間が省け、信頼感が増します。
バリアフリー対応をしたのであれば、きちんと情報を届けなければ意味がありません。
情報発信は、単なる告知ではなく、集客のための大切なビジネスツールです。
「バリアフリーをビジネスに使うのは気が引ける」と思う方もいるかもしれません。
しかし、必要としている人に情報を届けることは、相手にとってもありがたいことです。
その気持ちに応えることができれば、「また来たい」と思ってもらえるお店になれるはずです。
ぜひ、積極的にバリアフリーの情報を発信し、「選ばれる施設」を目指してみてください。
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