“情報こそ価値”になる時代|バリアフリー情報を活かして選ばれるお店へ
バリアフリーアドバイザーの白倉栄一です。
バリアフリー対応はもう「一部の人のため」だけではありません。
超高齢化社会のいま、誰にとっても快適なお店づくりが求められています。
このシリーズでは、企業経営者の皆さまに向けて、バリアフリー導入のヒントや事例を、経営目線でわかりやすくお伝えしています。
バリアフリーは、選ばれる理由になる時代。
ぜひ貴社の経営にお役立てください。
POINT|バリアフリー“情報”が価値を生む時代
バリアフリーの情報があるかないかで、集客効果に大きな差が出ることをご存知でしょうか。
多くの人にとってバリアフリー情報は気に留めないかもしれません。
しかし車椅子利用者・家族・友人にとっては、外出時に欠かせない情報となっています。
ところが、まだまだ正確な情報発信がされていないのが現状です。
だからこそ、店舗側がわかりやすく・正確に情報発信を行えば、他店との差別化につながり、集客チャンスが広がるのです。
REASON|街中で車椅子利用者は確実に増えている
「車椅子利用者はマイナーな存在だから集客効果は少ない」と考えていませんか?
しかし実際には、車椅子利用者は明らかに増加しています。
私自身22年前から車椅子を利用していますが、当時と比べて街中での利用者は格段に増えています。
高齢者数の増加(3500万人超)、団塊世代の高齢化、障害者のうち肢体不自由者が54%というデータもあります。
さらに公共交通機関や大型施設のバリアフリー化が進み、車椅子利用者の外出が容易になっていることも後押ししています。
だからこそ、バリアフリー情報を発信することは集客効果が見込めるのです。
EXAMPLE|「バリアフリー可」だけでは足りない
現在の多くのサイトでは、「バリアフリー可」とだけ表記していることがよくあります。
一般の方から見ると安心材料になるかもしれませんが、車椅子利用者にとっては不十分です。
なぜなら「何がバリアフリーなのか」がわからないからです。
「車椅子でも断られないお店」だという情報にはなりますが、物理的に利用可能かどうかまでは判断できません。
そのため、実際に行ってみたらスペースが狭く利用できなかったというケースも起こりがちです。
このような情報の曖昧さは、逆に利用者の不満につながってしまいます。
POINT|具体的な情報こそが“選ばれる要素”になる
利用者にとって価値のある情報とは、具体的で詳細な情報です。
たとえば:
- 画像がある
- サイズが明記されている
- トイレの手すりの有無
- 旋回スペースの有無
- ドアの開閉方式(引き戸 or ノブ)
- オストメイト機能の有無
- ユニバーサルベッドの有無
- ベビーキープの有無
- 便座の背もたれの有無
こうした情報が明確に確認できることで、利用者は「ここは使える」「ここは難しい」と安心して判断できます。
それがお店選びの重要なポイントになるのです。
さらに選択肢が限られている利用者にとっては、行けるお店が見つかることで高い満足感につながり、リピーター化にも貢献します。
結果として売上増加にも直結するのです。
だからこそ、情報の質そのものが価値を生む時代になっています。
ぜひこの機会に、自店のバリアフリー状況を一度確認されてみてはいかがでしょうか。
※ちなみに上記の画像は、バリアフリー設置トイレのノウハウの一部です。
もしよろしければ無料ですのでダウンロードしてご覧ください。
トイレにおいて必要なポイントが分かります。
バリアフリー対応は「お金がかかる」から「お客さまに選ばれる理由」に変わる時代です。
まずはできるところから、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。
このシリーズでは、今後も経営に役立つバリアフリーの知恵や事例をご紹介していきます。
ぜひ次回もお楽しみに!
関連する投稿
- 伝えてこそ”のバリアフリー 〜設備を活かす情報発信のすすめ〜
- 車椅子で行けるレストランは分かりやすいホームページ
- バリアフリーの宿・ホテルの予約の際には画像・間取りが見たい⭐︎
- 商業施設における身障者用駐車スペースまでの誘導ポイントとは?
- ファミレスこそがバリアフリーの有無が伝わりにくい理由とは?
現在の記事: “情報こそ価値”になる時代|バリアフリー情報を活かして選ばれるお店へ