バリアフリー対応の“情報不足”が機会損失に|画像・動画活用で選ばれる宿泊施設へ
バリアフリーアドバイザーの白倉栄一です。
バリアフリー対応はもう「一部の人のため」だけではありません。
超高齢化社会のいま、誰にとっても快適なサービスづくりが求められています。
このシリーズでは、企業経営者の皆さまに向けて、バリアフリー導入のヒントや事例を、経営目線でわかりやすくお伝えしています。
バリアフリーは、選ばれる理由になる時代。
ぜひ貴社の経営にお役立てください。
POINT|“情報が見えない”と選ばれない
車椅子利用者の目線から言えば、宿泊施設を選ぶ際に情報量が圧倒的に不足していることが多々あります。
せっかく魅力的な施設を見つけても、画像が少なかったり、具体的な情報がなかったりすると安心して予約ができません。
この情報の見える化こそが、他施設との差別化につながります。
REASON|情報不足は“候補から除外”される原因になる
たとえば不動産物件をネットで探すとき、画像が5枚しかなかったらどうでしょう。
「ここは大丈夫かな?」と不安になり、候補から外してしまうことが多いでしょう。
同じことがバリアフリールーム選びにも起きています。
せっかく宿泊候補に挙げても、画像や動画が不足しているとイメージが湧かず、安心感が持てません。
その結果、せっかくのワクワクした気持ちが消えてしまうことにもつながります。
EXAMPLE|欲しい画像・情報がないから選べない
特にホテルや旅館のバリアフリールーム情報は、残念ながら画像1枚だけ、または画像すらないことが少なくありません。
利用者は障害の程度によって確認したい点が異なるため、次のような情報が求められます:
- 風呂全体の構造(湯船の深さ・乗り移り台・手すりの位置・シャワーチェアー)
- トイレの配置と手すり
- ベッドの高さ・スペースの広さ
- 室内の通路幅や段差の有無
- 備品の配置と利用のしやすさ
こうした具体的な画像+サイズ表記があることで、「ここは利用できそう」「ここは難しい」と事前に判断できます。
POINT|“見える化”はクレーム防止にもなる
「そこまで詳しくやるのは面倒だ」と思うかもしれません。
ですがやっている施設はほとんどありません。
だからこそ大きな差別化につながり、安心感のある施設という評価を得やすくなります。
さらに、情報が事前に見えていることで、利用者側は納得して予約ができ、結果としてクレーム対策にもつながります。
障害のある方の状況は人それぞれ違います。
判断材料だけを提供し、最終的に「使えるかどうか」は利用者が判断する、という形が理想的です。
こうした視点は、健常者の目線では気づきにくいことも多いため、バリアフリーの専門家の意見を取り入れ、どんな情報が必要なのか整理して発信していくことが失敗しないやり方といえるでしょう。
バリアフリー対応は「お金がかかる」から「お客さまに選ばれる理由」に変わる時代です。
まずはできるところから、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。
このシリーズでは、今後も経営に役立つバリアフリーの知恵や事例をご紹介していきます。
ぜひ次回もお楽しみに!
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