ドライブスルーは究極のバリアフリー?今こそ広がるユニバーサルなビジネス展開
バリアフリーアドバイザーの白倉栄一です。
バリアフリー対応はもう「一部の人のため」だけではありません。
超高齢化社会のいま、誰にとっても快適なサービスづくりが求められています。
このシリーズでは、企業経営者の皆さまに向けて、バリアフリー導入のヒントや事例を、経営目線でわかりやすくお伝えしています。
バリアフリーは、選ばれる理由になる時代。
ぜひ貴社の経営にお役立てください。
POINT|“バリアフリー化”は発想次第で可能性が広がる
超高齢化社会を迎え、車椅子利用者は今後ますます増加していきます。
バリアフリー対応は、ニーズが確実にある有望なビジネスツールです。
今回注目したいのは、店内を改装せずともバリアフリーに貢献できる方法、
それがドライブスルーの活用です。
一見「バリアフリーとは関係ないのでは?」と思うかもしれませんが、実は車椅子利用者にとって非常にありがたいサービスなのです。
REASON|飲食店チェーンのドライブスルーは究極のバリアフリー
私が住んでいる地域でも、
「モスバーガー」「マクドナルド」「カレーCOCO壱番屋」「リンガーハット」「すき家」「なか卯」「はま寿司」など、
多くの飲食チェーンがドライブスルー対応を行っています。
もし段差があったり、狭い店内であれば、車椅子利用者が利用するのは難しくなります。
ですがドライブスルーなら車から降りる必要がありません。
車椅子利用者が自分で運転して注文・受け取りができるため、まさに究極のバリアフリーと言えます。
さらに、駐車スペースさえ確保しておけば、簡易的な対応も可能です。
実際、「はま寿司」「リンガーハット」「カレーCOCO壱番屋」などでは、
注文スペースのみで、商品は店員さんが車まで届けてくれる形を取っており、とても助かります。
こうした工夫は、車椅子利用者だけでなく、高齢者や子育て中の方にも喜ばれるため、社会貢献+集客アップにつながります。
EXAMPLE|葬儀・クリーニングでも進むドライブスルー化
最近では葬儀のドライブスルーやクリーニングのドライブスルーも話題になっています。
葬儀では、会場に入れない人向けに、車からお焼香ができる仕組みが導入されています。
一部から「不謹慎」との声もありますが、高齢者・障害者・小さなお子さま連れなど、参列が難しい方には大変ありがたいサービスです。
また、クリーニングのドライブスルーでは、車から降りずに衣類の受け渡しができる仕組みがあり、
車椅子利用者にとっても非常に便利です。
実際、車椅子で大量の衣類を持ち込むのはかなり大変なので、こうしたサービスは大変助かります。
最近では質屋でもドライブスルー対応を始めているところがあり、こうした発想の広がりが今後ますます重要になっていくでしょう。
POINT|収益につながる“発想の転換”こそが未来を拓く
こうしたサービスは車椅子利用者だけでなく、多くの方に便利さを提供するユニバーサルデザインの発想に近いものです。
バリアフリー化を難しく捉えすぎると、「コストばかりかかる」とネガティブな思考になりがちです。
しかし今回ご紹介したドライブスルーの工夫のように、
予算に見合った形で柔軟に対応すれば、
社会貢献+新たな収益源としてビジネス展開が可能になります。
こうした発想の転換こそが、これからの時代の差別化戦略につながるのではないでしょうか。
バリアフリー対応は「お金がかかる」から「お客さまに選ばれる理由」に変わる時代です。
まずはできるところから、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。
このシリーズでは、今後も経営に役立つバリアフリーの知恵や事例をご紹介していきます。
ぜひ次回もお楽しみに!
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