車椅子に乗っている人って何が原因なの?②
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車椅子ライフデザイナーのまおうです。前回は車椅子に乗っている人について簡単な説明をさせていただきました。今回は脊髄損傷をして車椅子生活になっている方が、障害レベルによって機能が異なってくることをご説明します。
今回も述べておきますが、私は医師でも理学療法士でもありません。車椅子生活になっている脊髄損傷の方はどういった状態なのかを簡単に説明するだけですのでご了承ください。
脊髄損傷の受傷原因は交通事故と落下が大半を占める
脊髄損傷の受傷原因は交通事故(43.7%)・高所からの落下(28.9%)・転倒(12.9%)・打撲や下敷き(5.5%)・スポーツ(5.4%)・その他(3.6%)となっております。※Wikipediaより参照
私のような交通事故以外にも上記のようなケースで受傷している方々がいます。昨今、問題視されている学校のプールの飛び込み事故なども脊髄損傷につながるケースがあります。人の脊柱は上から順に頸椎・胸椎・腰椎・仙椎・尾椎とあります。障害レベルは上にいくほど高くなります。
私の場合は胸椎です。胸椎は首に近い1番~腰に近い12番まであります。その中でも5番ですのでちょうど胸の心臓付近です。腹筋・背筋機能などがないため、座位のバランスが悪く、背もたれがないと安定しません。私より障害レベルの低い腰椎より下になると、腹筋・背筋機能があります。
車椅子バスケットボールは障害の程度に応じたルールに
ちなみに車椅子バスケットボールは、障害の程度に応じてクラス分けがされていて、障害が最も軽度ならば4.5、重度ならば1.0のポイントが与えられています。そしてコート上の5人の選手のポイントは合計で14.0を超えてはならないルールになっています。
私は車椅子バスケットボールをしませんが、ちなみに私の場合は1.0ポイントの選手になります。
(参考までにクラスの目安です ※細かい部分は0.5ずつ)
1.0→腹筋・背筋の機能がなく、座位のバランスが著しく悪い。
2.0→腹筋・背筋の機能が残っているため、わずかに前傾姿勢などがとれる。
3.0→下肢に筋力の残存があり、すばやく上体移動ができる。
4.0→主に切断など。体幹の側屈運動ができる。
これだけ見るだけでも障害レベルは多く、それにより機能が異なっています。
逆に私より障害レベルの高い頸椎になると、手を動かしたりするのが困難になってきます。頸椎の中でも上の位置で損傷すると手指だけでなく、呼吸筋まで麻痺し人工呼吸器が必要になる場合もあります。
先ほどは車椅子バスケットボールの障害程度を説明しましたが、頸椎損傷の場合は、車椅子ツインバスケットボールになります。
一般のバスケットボールのゴールの他に、フリースローサークルの中央にもう1つ低いゴール(高さ1.2m)を設けて、計2つのゴールを用いることからツインバスケットボールと言われているそうです。
また最近注目されている車椅子ラグビーも上肢と下肢の両方に障害を持つ方が参加されているので、私のような下肢には障害はあるけれど、上肢には障害がない場合は対象となりません。
健常者と車椅子ユーザーのコミュニケーションが大事
一概に車椅子に乗っている脊髄の障害者といってもいろいろあることは分かっていただけたと思っております。そのためもし健常者の方が車椅子に乗っている方に手を差し伸べる場合も、障害の程度によって、車椅子自身で出来ることと出来ないことが変わってきますので、人によっては助けがいる場合といらない場合が出てきます。
車椅子の方に声をかける場合は、「何かお手伝いできることはありませんか?」と言った方がいいかもしれません。もし手助けしてほしいことがあれば、そこからコミュニケーションが自然と生まれていくと思います。
また車椅子ユーザーにおいては、お声をかけていただいたら必要の有無にかかわらず「感謝」と「謙虚な気持ち」があるべきだと思っております。
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