車椅子におけるバリアフリーの質問には具体的に答える
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バリアフリースタイル代表の白倉です。車椅子利用者でも目的のお店・施設に行けるかどうか確認の電話が入ることがあると思います。そういった際、当事者側の質問の仕方においてもポイントがありますが、施設側の回答の仕方についてもポイントがあります。今回は回答する側の立場で考えてみたいと思います。
「お宅はバリアフリーですか?」の質問をされたらどうしますか?
当事者側の質問において慣れている人の場合、具体的にトイレ・駐車場・段差など細かい部分をふまえて質問するでしょう。そうなればもちろん回答する側も即答はできなくても、相手の質問に対してきちんとした回答をしようと思うものです。
ところが質問において慣れていない人の場合、または当事者とは別の人が代理で質問した場合には、「お宅の施設はバリアフリーですか?」と漠然とした質問をしてしまうケースがあります。これでは明らかに回答しにくくなります。状況によっては、即答で「うちの施設は車椅子では難しいです」と答えてしまうこともあります。何も検討しないで判断してしまうと障害者差別解消法の努力義務にも抵触する内容となってしまいます。
また実際には、障害者といっても、すべてが車椅子利用者とも限りませんし、手動車椅子の人もいれば電動車椅子の人もいます。両者は重量が全く違うため、マンパワーで対応できる場合とそうでない場合もあります。だからこそ回答する側は、バリアフリーのどのような点において気になっていらっしゃるのかを確認したいところです。
例えば、車椅子で入れるだけのスペースのあるトイレは設置されているか、段差があるのか、またそれは何段くらいあるのかをお伝えした上で、「いかがでしょうか?」と逆に判断を求めることで、当事者と確認した上で、利用するかどうかが決まってくると思います。ある意味、情報を相手に伝えることで、相手の判断にゆだねてみてはいかがでしょうか?まちがいなく多様化している障害においては、当事者側が一番自分の身体をしっているにちがいありません。
質問→回答を重ねるたびに社内のメンバーと共有していく
それでも口頭だけで相手に説明するのは難しいもので、相手のイメージが思っていた以上よりひどく、クレームに発展することもあるでしょう。せっかく調べてチェックしたにもかかわらず、お互いのコミュニケーションが不足していたために起こってしまうこともあります。 そのようなトラブルを回避するためにも状況によっては、メール等で画像を送信して、判断をしてもらうことも必要です。
本来であれば、ホームページで情報の見える化になっていますと、利用する当事者が目で見て判断できるようになるでしょう。少しでも実情を知っていただきたいという思いで、ホームページにバリアフリーについて掲示していれば、電話での問い合わせが減るばかりでなく、利用したいと思う人も増えていくのではないでしょうか?
回答する側にとっては、必ず具体的に確認をすることを忘れないようにしていくことです。そこで自店の施設がどのように対応しているか、またどのような対応だったらバリアを解消できるのかを社内のメンバーと一緒に話し合っていくことで、スキルがどんどん身についていくでしょう。そこがお客さま満足レベルを向上させていく1つではないでしょうか?
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