車椅子利用でも気軽に利用できるバリアフリーの喫茶店とは?
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バリアフリースタイル代表の白倉です。最近は、出先でノートパソコンを利用しながら仕事をすることが多くなりました。その際、喫茶店を多く利用しますが、私のような車椅子利用者にとって気軽に利用できるのかどうかは、従業員さんの対応次第でもあると言えます。今回は車椅子利用者の視点を考えながら、お店にとってどのような形が望ましいかを考えてみたいと思います。
喫茶店では注文されたものを席までお届けすることができるか?
最近はものすごく喫茶店が増えました。私がよく行くのはコメダ珈琲店です。郊外の店舗が増え、ロードサイドにあることで駐車場も入りやすくなっています。そして大概のお店には、身障者用駐車スペース1~2台分が完備されております。
そして入口には段差がなく、段差があるお店のほとんどはスロープが設置されております。角度も1上がるのに12以上の長さになっていますので、スロープの勾配は問題ありません。残念なのは入口がスライド式でなく、引き戸になっていることが多い点。多目的トイレの設置については、半分近くの店舗において設置されています。
お店の大半が可動式のソファーなので、すぐに移動することができ、車椅子でも利用できるスペースはたくさんあります。このソファーの取り組みは、他の企業でも参考になるポイントでもあります。セルフではない喫茶店なので、席に座って注文することができるのは、車椅子利用者にとってものすごく助かります。
セルフサービスのお店だと利用者にとって不安に感じていることがある
なぜ助かるのか?と考えますと、スターバックスコーヒー・タリーズコーヒーなどのようなセルフサービスの喫茶店においては、受付カウンターで飲食の注文をしますが、注文後、料理を運んでもらえるのかどうかが気になるところです。もちろん「席までお運びいたしますので、席でお待ちください」とおっしゃっていただけるところが大半ですが、たまにそうでないところもあります。だから正直利用するか迷ってしまいます。
車椅子を片手で漕ぎながら、コーヒーや飲食を席まで運ぶのはかなりのテクニックを必要とします。状況によっては、熱いコーヒーをこぼしてしまうことも予想されます。そういった不安を少しでも取り除きたいと思っているので、セルフのお店は協力していただけるのか気になってしまうのが本音でしょう。
もちろん各社の従業員教育では、セルフサービスなのでお客さま自身が行うとなっているでしょうが、車椅子利用者が来店されたときなどには、臨機応変に対応できるかが大きなポイントです。でも残念ながらマニュアル通りに遂行してしまう従業員さんもよく見かけます。「セルフサービスですからお渡しします」と言われた場合、次回そのお店を利用するかどうかを悩む前に、今後はその店を利用しなくなる可能性が高いです。
大事なのは利用者目線にたって適切なサービスを展開すること
そのように言われてしまうと、さすがに「席まで運んでいただけますか?」とお願いするのは言いにくいものです。なぜなら従業員さんが「セルフサービスですから…」という言葉を発している以上、条件を遂行するのは当然と言っているように感じてしまいます。実際には臨機応変な対応ができないだけだと思いますので、利用したいお客さまの気持ちに沿った対応ができるような教育を入れていく必要があります。
しかしそれだけでは万全ではありません。なぜなら利用するかどうかを決める前に、「あの店はフォローしてくれるか?」と想像するので、実際にYESかNOかは利用するまで分かりません。であれば、入口や受付カウンター付近に「もしお手伝いを必要とするならば、お気軽におっしゃってください」と掲示するのか、もしお店に掲示するのがお店のイメージを壊すのであればホームページに掲載することはどうでしょうか?
大事なことは、「情報の見える化」です。利用する前、つまりお店を選ぶ段階で情報を開示しておくことが、お客さまへ安全・安心をお伝えすることになります。今後増え続ける車椅子利用のお客さまなどに対して、同時に優しい対応となるお店も増え続けていくことを願っております。
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