大雨時に車椅子利用者に対して心のバリアフリーを実践する方法
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あなたのお店の『バリア解消』請負人
バリアフリースタイル代表の白倉栄一です。
私は20年以上も車椅子生活をしてきて、
どうしても困ってしまうのが
「雨の降っている日の外出」です。
自分の仕事が休みであったら
あえて外出を避けてしまいがちです。
雨天時に外出するとしても、
屋根のついたショッピングモールなどを
選んでしまいます。
そうなると路面店のお店の場合、
屋根がついていないとなれば、
車椅子利用者が行く対象から外れてしまうでしょう。
ではお店の立場からすると
やむを得ないと諦めるのか
どうしたらお越しいただけるのか
どっちになるでしょうか?
もしお越しいただいたいと思うのであれば、
どうしたらいいのかを
考えてみたいと思います。
でもそもそもなぜ車椅子利用者が
雨だと外出するのを拒むのかをお伝えします。
車椅子利用者は1人で傘を差すことができない
という行為ができないからです。
車椅子に傘を引っ掛けるような場所があるわけでもなく
手で傘を持っていたら車椅子を漕ぐこともできません。
車椅子に屋根でもついていれば、
雨除けにもなるのかもしれませんが、
そんな重装備をしていたら
車椅子としての機能は果たせないでしょう。
そのためには、雨合羽を着用することになりますが
時間がかかります。
車椅子に乗りながらでは着用することが大変です。
そのため新しい雨合羽が現在では開発されています。
それは上からかぶせるだけの雨合羽で、
従来のものと比べて着用するのに時間がかかりません。
でもどうしても問題があるとすれば、
クルマから車椅子への乗り移りの際には、
どうしてもクッションが雨ざらしになってしまい、
傘のようなものがなければ、
びしょびしょに濡れてしまいます。
雨天でも屋根のあるショッピングモールであれば、
車椅子のクッションが濡れることもなければ、
雨合羽も必要もないわけです。
では屋根がついていないお店は
全く利用できないかと言えばそうではありません。
屋根がついていないのであれば、
傘をさしてあげることができれば
利用することができるわけです。
そこで大きな課題になるのが2点です。
まず1つ目はお客さまに
どうしたら傘をさす対応をすることを伝えるかです。
2つ目は従業員が
傘をさしてあげるための行為をできるかどうかです。
従業員が傘をさしてあげる体制ができるかどうか
1つ目については、
ホームぺージなどでバリアフリーへの取り組みを
掲載することです。
多くの車椅子利用者は
バリアフリーの情報を探していますので、
情報を発信することによって、
こういったサービスがあるということを
知ってもらうことで変わってくるでしょう。
だからといってネットを見ない方もいれば、
そのお店の情報をネットで見つけることが
できない人もいるでしょう。
そのためには、晴天のときの来店の際に、
対象となる車椅子利用のお客さまに対して、
雨が降った時は電話でご連絡いただければ、
お店の駐車場に傘を差しに向かいますとすれば、
伝わるのではないでしょうか?
普段からお客さまとのコミュニケーションを
とっているお店であれば、
気軽にできることではないでしょうか?
もしなかなか話しかけられないとすれば、
まだお客さまとの間に距離があるのかもしれません。
少しでも会話に慣れていくが必要です。
2つ目については、
なぜ傘をさしてあげなくてはならないのかを
従業員の皆さまに理解していただくことです。
従業員の中には「そんなに暇じゃない」と
言う人もいるでしょうが、
1日に数人の車椅子利用のお客さまに対して、
サポートすることが
お店のオペレーション上に大きな負担があるとは
思えないものです。
なんとか従業員の皆さまにネガティブな発想から、
お客さま志向のポジティブな発想ができるように
チームビルディングをしていく必要があります。
まずは従業員の働きやすい職場環境を
創っていくことが必要なのかもしれません。
人に優しいお店づくりにつながっていく
屋根のついていないとしても
お客さま対応のできるお店となれば、
人の優しいお店であることが
お客さまにも伝わってくると思います。
まずお店を好きになってもらうことが
選ばれるポイントではないでしょうか?
それが雨だけでなく、
それ以外においても
居心地のいいお店づくりになるにちがいありません。
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