そのひと言で評価が決まる? ― 車椅子利用者との接客で気づいてほしいこと

2025.08.14 (木)

「接客って、ちょっとしたことで“好き”にも“残念”にも変わってしまう」
このシリーズでは、バリアフリーな接客を実現するためのヒントを、現場での具体例とともにお伝えしています。

 

接客の場で、車椅子利用者が来店しただけで戸惑い、そっけない態度を取ってしまうスタッフがいます。

 

その多くは、単に経験がないから。どう接すれば良いのか分からず、逆に過剰に意識してしまうのです。

 

結果的に「何も知らないから動けない」「思いつかないから何もできない」という状態に陥ってしまいます。

 

ちょっとした行動が、大きな不満につながる

今、超高齢化社会の中で車椅子利用者の来店は日常的になっています。

 

にもかかわらず、スタッフがスムーズに対応できなければ、満足度は当然下がり、リピーターの獲得どころか、来店すら遠のいてしまうかもしれません。

 

でも、心配はいりません。知らないことは「学ぶこと」で克服できます

 

例えば、以下のようなやり取りが多く見られます。

 

  1. 車椅子利用者と健常者の2人が来店
  2. 店員「いらっしゃいませ」
  3. 店員「何名様ですか?」
  4. 車椅子利用者「2名です」
  5. 店員は健常者の方を見て「2名様ですね」と返答

 

これは“見られていない”という印象を与え、「なんで私が話したのに無視されたの?」と不快にさせてしまいます。

 

さらには1人で来店したときにも、こんな対応が起きがちです。

 

  1. 車椅子利用者が1人で来店
  2. 店員「空いている席へどうぞ」
  3. 車椅子利用者、自力で席を動かす
  4. 店員「お水はセルフです。ご自由にどうぞ」
  5. 車椅子利用者、水を取りに行けず結局飲まないまま食事

 

セルフサービスであっても、配慮がなければ放置と受け取られてしまうこともあります。

 

接客は「相手の状況」を見極め、ケースバイケースで動く判断力と行動力が大切です。

 

放置された“無知”は、大きなダメージを生む

今の時代、口コミサイトやSNSの影響は絶大です。

 

対応の悪さが広く拡散されれば、お店のイメージに直結します。

 

そしてこれは車椅子利用者に限らず、他のすべてのお客さまに対しても同じ

 

まずは「自分がされたらどう感じるか」という視点を持ちましょう。

 

当事者の声を取り入れる研修こそが、本当の教育

理想的なのは、当事者の声を取り入れたロールプレイング

 

「どうされたらうれしいか」「何が困るか」を直接聞くことが、最も効果的な研修になります。

 

当事者の参加がないと、自己判断による独りよがりな対策になってしまいがちです。

 

まだまだ導入している企業は多くありませんが、だからこそ今始めれば、接客のパイオニアになれます。

 

「知らなかった」を「知ってて良かった」に変える。
今すぐできる、小さな一歩から始めてみませんか?

 

▼シリーズ共通の締めのひと言
「気づき」は、誰かの安心につながる。
今日も一歩、やさしい接客を。

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