車椅子利用のお客さまに対して心のバリアフリーだけでも対処できること

2018.04.21 (土)

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バリアフリースタイル代表の白倉です。最近は超高齢化社会になっていることもあり、飲食店のおける車椅子利用者が増えています。大概はご家族で食事を楽しむようなケースです。そこで考えていきたいのが、車椅子利用者にとって使いやすいテーブルやイスになっているかどうかです。

お客さまのチャンスロスになるのはもったいない

私は都内でよくレストランや居酒屋を利用していると、残念ながら入口こそバリア解消になっていながら、店内のテーブルが固定席だったり、ボックス席だったりして断念する場合があります。固定席が多くあっても、一部の席は動かせるものであれば利用することができるのですが、そうではないタイプが多くみられます。

 

ボックス席においては、車椅子でも利用できそうな場合があるものの、車椅子で利用すると通路が全く通れなくなってしまうことでダメなこともあります。さらにテーブルそのものが高くなっていて、イス自体も高い位置にある場合もよく見かけます。こうなるとイスに座ることのできない車椅子利用者の場合は、同じ目線の高さで会話をすることができなくなってしまいます。

 

こういった車椅子あるあるが未だ多いのが現状です。しかも入口が入れて、通路も通れるのに利用できないのは、本当にもったいない状態です。もちろん私1人が利用できないだけでなく、一緒に訪れた家族や同僚・友人なども去っていってしまいます。1人の車椅子利用者に対して、数人のお客さまのチャンスロスが生まれることになってしまうでしょう。

この店ならば利用できると思われるとリピーター化へ

それでも当店は構わないと思われるのであれば仕方がありませんが、せっかくであれば少しでも多くのお客さまに利用していただけることで、お店の収益にも結び付くことでしょう。さらにハンディキャップを持っている人にとって、この店なら利用できると思ってもらえることが、リピーター化にもつながっていく可能性も高い傾向にあります。

 

なぜなら行ける場所が少ないからこそ、気に入ってもらえれば選ばれるのがバリアフリー化への魅力だと思っています。そこですべてのテーブルやイスを取り替えるようなことは、店舗のコスト上からもできないでしょう。ではどうしたらいいのか? そのうちのいくつかだけでも利用できるような環境にするのはいかがでしょうか? 低い机や動かせるイスを少しでも配置することで、利用者側にとっては選択肢が増えるにちがいありません。

 

そうすることによりゼロではなくなるはずです。選択肢が生まれることに価値があります。もしすでに利用されているお客さまがいらしたら、「申し訳ございませんが、隣に移っていただくことはできませんか?」と言えば、大概は応じてくれるはずです。これこそ「お互い様」の部分になるでしょう。

見える化にすることがお客さまとのコミュニケーション

そして大事なポイントは、こうしたことをホームページなどで「見える化」しておくことです。「当店はこういったことをしております。ぜひともお気軽にご連絡してください」と明記していれば、お店を探している車椅子利用者の関係者の目に留まれば、ぜひとも利用したいお店になるでしょう。

 

バリアフリー化にはお金がかかるとか、面倒臭いといったことが先に出てしまいやすい世の中ですが、まずは一歩何か踏み出してみて、お金をかけなくても多くの人が利用しやすい環境を想像してみることからはじめてみてはいかがでしょうか?ハードが整っていなくても、マンパワーやこころのバリアフリーで対応できることが多くあります。そう思うことが、まずバリアフリー化へのスタートラインになります。

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