車椅子利用者にお越しいただきたい気持ちがバリアフリー化への道
Contents
あなたの会社の『バリア解消』請負人 白倉栄一です。
これからの社会において、「うちは車椅子利用者が来ないからバリアフリーは関係ない!」とか言っていたら、高齢化が進むにつれてお客さまの数が減ることになってしまうかもしれません。
もしかしたら明日、通っている常連のお客さまが病気・事故に遭って、車椅子生活になることもあるでしょう。
でもそのときに今まで利用していたお客さまをシャットアウトすることになってしまうのです。
さらに言えば、あなた自身が車椅子生活になってしまうこともあります。
そのときに車椅子利用者は除外!と言えるでしょうか?そこが大きなポイントになるはずです。
車椅子利用者にとって「気軽に」行けるバリアフリーの飲食店を探しています。
残念ながら社会のインフラは整ってきましたが、街の店舗においてはまだバリアフリー化が進んでいないのが現状です。
「儲からないから」「うちには来ないから」とバリアフリー化を拒む経営者の皆さまも多いでしょう。
しかし、今後の国内の超高齢化における部分を考えれば、間違いなく高齢であっても、障害があっても「気軽に」行けることが経営的にもキーワードになるのではないのでしょうか?
バリアフリー化の整っているスポットは大型ショッピングモールや一部の飲食チェーン
今回は私が20年間車椅子の生活をしてきて、車椅子でも入店できるバリアフリー化が整っている施設をご紹介します。
まずは、郊外型の大型ショッピングモールです。
私が在籍していたイオン系列やセブン&アイ系列、そしてららぽーとなどが一番利用しやすい筆頭になると思います。
ホームページなどで事前に調査をしなくても、「身障者用駐車スペース」「多目的トイレ」などが間違いなく設置されております。
そのため食事をとることを考えれば、モールのフードコートやレストラン街にも確実にいけるでしょう。
では路面店でも車椅子で行ける環境を作っている企業はないのでしょうか?
路面店で多目的トイレ・身障者用駐車スペースなどのバリアフリー化が整っている飲食チェーン店は、未だに少ない状況です。
その中で、和食レストランとんでん・コメダ珈琲は、以前から積極的にバリアフリー化を進めていらっしゃいます。
トイレの大きさなどは決して大きくはありませんが、誰でも使えるようなユニバーサルデザインを取り入れた設計になっております。
その他にもファミリーレストランのココスあたりも徐々に増え始めております。
また業種は違いますが、カラオケのシダックスもかなり昔からバリアフリー化を進めてきています。
食事をとりながらカラオケができる環境によって、車椅子利用者にとっては「気軽に」楽しめる環境で人気が集中しております。
アミューズメント業界では珍しいスポットです。
しかも「シダックスに行けば多目的トイレがある」と車椅子利用者にとっては思われているだけに、明らかに他店との差別化が図られています。
シダックスの場合においては、車椅子利用者が1人で歌いに行くわけではなく、友人・家族・同僚などが揃って車椅子利用者の行けるスポットを選ぶことで、大勢の人が集うスポットになっています。
これは飲食業界においても同様です。
1人で食事をとる人もいますが、車椅子利用者のいる家族で「どこで食事をする?」となれば、間違いなくバリアフリー化が進んだお店になります。
それがリピーター化となり、また行きたくなるお店になるのです。
行くことができるところが少ないからこそのメリットがあります。
体が不自由になったことで諦めている方に救いの手を出せるか
これからの時代は私のような身体障害者だけでなく、超高齢化社会に伴い、約3500人の高齢者が徐々に車椅子利用となっていく可能性が考えられます。
まさに全人口の4分の1が高齢者となる時代です。
元気なうちは、美味しいものを食べに外出していたにも関わらず、身体が不自由になったことで、もうあの店には行けないというようなことが多くなっています。
そのために歳をとっても、障害者になっても、欲求はあるのに、我慢しなければならない人生を送らざるをえないのです。
少しでも救いの手を出してあげてみてはいかがでしょうか?
もちろん費用をかけて多目的トイレを設置することは望ましいものですが、費用が厳しいならばお店の入口を広くしたり、ホームセンターで販売している段差解消プレートを置いたりすることで大きく状況は変わっていきます。
このような閉鎖的な現実だからこそ、ちょっとの工夫をすることが他のお店とは違う差別化になります。
大事なのは、上記のようなお客さまにお越しいただきたいという気持ち(マインド)です。
費用対効果を考えると改装するのは難しい部分もあるでしょう。
お金のあまりかからない改装でもマインドがあれば、きっと喜ばれます。
心のバリアフリーで対応して、ホームページなどを通して見える化にすることです。
車椅子利用者にとっては、あの店にはもう行けないと思っていても、またあの店で食事ができると喜びに変わるでしょう。
それがお客さま商売のリピーターにつながる理由であり、高齢者・障害者問わず、誰もが優しいお店としてまた行きたくなるお店に変わっていきます。
関連する投稿
- こころのバリアフリーのはずが過剰反応になってしまうケースとは?
- 車椅子利用のお客さまが増える中でのこころのバリアフリー対応
- 職場の避難訓練を通してバリアフリー度を高めるポイント
- 店舗におけるお客さまの本音を知る方法とは?
- 車椅子利用のお客さまに対する駐車スペース対応ノウハウ
現在の記事: 車椅子利用者にお越しいただきたい気持ちがバリアフリー化への道