意識しすぎないことが心のバリアフリー
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あなたのお店の『バリア解消』請負人
バリアフリースタイル代表の白倉栄一です。
先日はあるショッピングモールを利用して、
接客応対における心のバリアフリーを
考えてみたいと思います。
今後は超高齢化社会に伴い、
車椅子利用のお客さまが増えていく時代です。
いかにスムーズに対応できるかが、
お店の評判につながっていくとも言えるでしょう。
車椅子利用者であるがゆえに意識してしまう
私が利用したのは回転寿司店です。
平日昼の13時頃で、土日ほど繁忙ではないものの、
どのお店もものすごく混んでいました。
その中で唯一1軒だけがガラガラに空いていました。
私にはそのとき時間に余裕がなかったので、
思い切ってその回転寿司店へ入りました。
カウンターにいた60歳代とみられる板前さんは、
寿司屋の威勢のいい声とはほど遠く、
私が「私が1名です」と言ったら、小声で
「どうぞお好きなところへ」と返答されました。
車椅子利用のお客さまを迎えるにあたっては、
席に座るのか、
席を外して車椅子のまま利用するのか
確認があったほうがいいように思えます。
しかも板前さんは、
周りにいた女性のホールスタッフの役目だから、
私はなにもしないという態度でした。
その後、ホールスタッフがメニュー表を
渡してくれましたが、
車椅子利用者1名ということで、
なぜか緊張されている姿を感じました。
丁寧ではあったのですが、
車椅子利用のお客さまと会話をするのが
慣れていないといった印象でした。
その間、カウンターの板前さんからの
おすすめの品などは一切なく、無言のままでした。
私が食べ終わって帰ろうとしても
板前さんは、他の板前さんと立ち話をしている状態で、
会釈をするだけで終わってしまいましたし、
ホールスタッフの方の会計においても、
緊張している様子がとても感じてしまいました。
価格設定が高かったことや、
商品の鮮度もあまり良くなかったこともありますが、
残念ながらまた入りたいと
思うようなお店ではありませんでした。
道具を利用しているだけの人と見えるかどうか
今回感じたことは、
板前さんの接客応対をはじめ態度そのものは、
車椅子利用のお客さまであるなしに関わらず、
あまり評判が良くないはずです。
経営者やリーダーにとっては、
こうした板前さんの対応を直していくには
時間のかかることだと思います。
でもホールスタッフについては、
ちょっとしたきっかけで
一変する可能性が十分にあります。
このホールスタッフの方にとっては、
どうしても車椅子利用ということで、
意識して特別に見てしまうクセがあります。
もともと車椅子利用者が1人で
訪れることに慣れていなかったりすると、
どうしたらいいのか分からないことが
当然あるでしょう。
しかも身内や友人に車椅子利用者がいなかったら
今まで接したことがないという人も多くいます。
だからよそよそしい接客応対になってしまいがちです。
大事なポイントは、
単に車椅子という機器を利用しているだけだと考えて
普通に接することができるようになることです。
いわば目が悪くて眼鏡をかけている人だからといって
意識して目が悪いのでは?と
思って対応することはないはずです。
そのケースと同じように
感じてもらえばいいのではないでしょうか?
そのうえで、何か要望があれば
具体的にお聞きすることで、
車椅子利用のお客さまであっても、
何気なく対応できるようになるでしょう。
あまり意識しないことも
大切なポイントではないでしょうか?
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