バリアフリーは完璧を求めないで慣れることが大事
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バリアフリースタイル代表の白倉です。店舗のバリアフリーを考えた上で、どうしても完璧でないからお客さまを受けいれることができないと思っていらっしゃる方が多いのではないでしょうか?でも完璧であることは、お金だけでなく時間も労力もかかります。しかも本当に完璧になることができるかは未知数です。ではどうしたらいいのでしょうか?
日本人の英会話事情に似ているバリアフリー
私としては接客面のバリアフリーというのは、昨今の日本における英会話事情に似たものがあるように思えます。英語ができなければしゃべれないという不安感があると、学校教育で長年英語を勉強してきても、話す機会がなければ、完璧でない限り逃げてしまうことがあるでしょう。でも本来は完璧でなくても、気軽に話しているような人もいます。
完璧を目指すのではなく、「慣れ」によってスキルを上げていくようなやり方が望まれるでしょう。決して単語・熟語・文法・構文などを覚えないと外国人に話せないというのではなく、何気なく話すことに慣れていくことでスキルが上がるでしょう。これはバリアフリーにおいても同じです。
なぜなら相手が車椅子だからといっても、立位・歩行ができる人もいれば、そうでない人もいます。手を握ることが出来る人もいれば、そうでない人もいます。さらに車椅子に乗っている人もいれば、義足の人もいます。そして肢体不自由者もいれば、視覚・聴覚・内部障害もあり、もっと大きな分類でいけば、身体障害者もいれば、知的障害者・精神障害者もいます。多分、すべてを網羅している人はまずいないでしょう。
自分が分からなければ相手に伺うスタンス
まさに千差万別であり、分からないのが当然だと思ってしまってもいいのかもしれません。そのため「私が分かっています」と決めつけてしまうことが、相手にとって不適な場合があります。だからこそ、自分が分からなければ「相手に伺う」ということではないでしょうか?そのスタンスのほうが、とても丁寧ではないかと思います。
そこで具体的に「何かお手伝いが必要なことはありますか?」とか聞くことで、利用者にとってどうしても1人ではできないことが明確になるでしょう。そして必要とする部分だけをフォローすればいいと思います。あれもこれもフォローすると嫌がられることもあります。でもこうやっていろいろとケースバイケースを知ることで、どんどんいろいろな知識が蓄えられるようになります。
そういった意味で課題になるのが、ハード面の適応だけでなく、ソフト面の適応です。いざ車椅子のお客さまがいらっしゃったら、どう対応したらわからないというのが多いように思えます。どうしても慣れていないので身構えてしまいがちになり、ぎこちなくなってしまうでしょう。
今だからこそビジネスチャンスになりうる
まずは慣れていくことを通して、車椅子利用者が気軽に行けるような感じのいいお店になっていくのではないかと思っています。まだまだ行ける場所が少ないからこそビジネスチャンスでもあります。誰もがあまりやっていないからこそ価値があります。
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