鉄道会社のホスピタリティから学ぶバリアフリー
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バリアフリースタイル代表の白倉です。社会のインフラ整備が整ってきたので、公共交通機関などはひじょうに乗りやすくなっております。しかしそれと同時に鉄道会社のホスピタリティのある対応は素晴らしいことも挙げられます。まさにお手本になるような対応であり、他のサービス業においても参考になるところが多いように思います。
鉄道会社のホスピタリティはとても参考になる
細かく説明しますと、鉄道を利用して都内に向かおうとします。駅員さんに「○○駅まで行きたいのでお願いします」と頼めば、乗換駅・目的地の駅への連絡を取った上で、電車のホームへ一緒に向かいます。そこには駅員さんは電車とホームの溝を解消するためのスロープを用意してくれて、車椅子利用者は電車に乗り込みます。
電車に乗り込んだあとは、乗換駅もしくは目的地の駅に到着したときに、駅員さんはホームに待ってくれていて、電車に乗る時と同様に、スロープを用意してくれます。そして車椅子利用者は電車を降ります。あとは駅構内にあるエレベーターや昇降機を利用して、改札口を出るといった流れです。
乗換駅や目的地の駅への連絡などがあるため、多少待たされる時間はあるものの、以前に比べてスムーズになってきていて、1本後の電車などには乗り込むことが可能になってきました。そして乗換等で企業が変わっても(例:私鉄→東京メトロ、東京メトロ→JR など)、きちんとミスのない対応をしてくださるところが素晴らしく感じます。
とにかく駅員さんの対応は、ホスピタリティを考えると万全に近いレベルです。ここまで利用者に対する丁寧な対応は、いろんな業種の中でもトップクラスではないかと思います。もちろん人によって対応の丁寧さは多少変わるものの、サービスレベルに大きな差はないように感じます。
駅どうしの連携プレーは素晴らしい
特に先ほど説明した駅どうしの連携プレーです。これは素晴らしいの一言です。乗換が生じるときには、駅だけでなく企業が異なることもあり、サービスレベルが異なるように感じてしまいますが、そんな心配のないのが鉄道会社の対応ではないかと思っております。
強いて言えば、利用者とのコミュニケーションにおける会話が気軽にできるようになると、もっと素晴らしく感じるかもしれません。これは人にもよりますが、私は話すのが好きなタイプなので、きさくに声をかけていただける駅員さんのほうがうれしく感じます。
そういった状況を踏まえると、鉄道会社から学ぶことが多いように感じます。相手のお客さまがこうしてほしい、こうなったらうれしいという行動を常にとっておく仕組みを作っておけば、担当者が変わっても、同様なサービスレベルを展開できるのではないかと思っております。
他のサービス業にとっても上記のような対応をするには、個人プレーではなく、チーム全体で情報を共有しておく必要があります。しかも難しく考えるのではなく、あくまでシンプルな方法で誰もが周知・徹底できるようにしたいものです。それがお客さまに伝わるホスピタリティにつながるにちがいありません。
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