店舗におけるお客さまの本音を知る方法とは?
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車椅子ライフデザイナーのまおうです。サラリーマン時代に店舗の管理者として、店舗の課題を掴むために、商品・サービスのにおける問題解決につながるためのいろいろな方法を考えていました。そこで考えるのが「お客さまの声」の収集です。でもお客さまの本音をどのように手に入れるか?これはなかなかうまくいかないものです。いかにお客さまの本音を聴くのが難しいかということを痛感していました。
来店客調査をしても目の前に従業員がいたら本音を引き出せない
お客さまに商品を販売する小売業・サービス業にとって、お客さまの本音のご意見を手に入れるのは難しいものです。アンケートなどの方法を使っても、本音に迫るまでの回答を得られることがないのが実態ではないでしょうか?ではどういう形ならばお客さまの本音を得られるのでしょうか?
店舗では年に1回、来店客調査を実施していました。外部の企業にデータの分析を依頼しますが、それだけで最低30万円以上はするものでした。また当日の調査人員を外部から依頼するとさらに100万円以上にもなり、予算が確保できない自店においては、自店の従業員を集めて2日間実施しておりました。しかし従業員は調査になれているわけでもないので、お客さまに声をかけてもなかなか立ち止まっていただけませんでした。
そのため約1時間で調査できるお客さまの数は、うまくいって5人・ダメなときは0~1人の調査となっていました。もちろん上記のような100万円はかからないとしても、費用対効果のうえではあまり効果が少なかったです。しかもお客さまにいくつかの項目をヒアリングしたところで、目の前に従業員がいることによって遠慮気味になることもあって、本音を引き出すまでには至らなかったものです。
お客さまのご意見ボックスへの投函は本音であっても収集できる数が少ない
だからといってお客さまのご意見箱に投函していただく内容は、本音によるクレームがほとんどでしたが、来店されるお客さまの数から考えるとごくわずかです。そのため店舗で働くパートタイマーの従業員に向けて、従業員集会時にお客さまとしてお買い物する際の意見を聞くことが、意外と本音の声だったりするものです。自店で働くがゆえにもっとお店をよくしたいという要望によるものだと思います。でも本来であれば、お客さまからもっと本音を欲しかったものです。
実際に本音を聴くという難しさは他社の取り組みでも同じだと思っております。ファミリーレストランなどでテーブル席にアンケート用紙があっても、ほとんどの人が記入しないですし、記入したとしても、すぐに従業員が見るだろうと想像するあまり、本音を記入することが難しいと思われます。
それ以外においても、宅配サービスの企業が今日の出来は良かったかどうかのアンケート用紙を置いていき、アンケート用紙の記入をしていただければ次回のサービスで300円の値引きをしてくれるものがあっても、さすがに連絡先を記名することで本音がいいにくい雰囲気になってしまうものです。
本音を書くことで相手に嫌われたくないという気持ちが入ってしまうことによって、企業が行っているお客さまアンケートは本音を引き出せるものではないと思っております。どうしてもアンケートとはいいながらも、よっぽどの腹が立つ状況でなければ本音を言える環境にはないのではないでしょうか?
アプリとプレゼントを併用することで気軽に本音が言えるようになる
今回、テレビ番組を見ていて工夫されていると思うものがありました。長年にわたり視聴している番組「カンブリア宮殿」(テレビ東京)で、マクドナルドの復活劇が放送されておりました。その中でお客さまのアプリが紹介されておりました。それによってお客さまのご意見は、お客さま相談室への電話しかなかったものが、多く収集できるようになったことを報じていました。
アプリでは、お客さまが利用した店舗と意見を入力することで、お礼としてポテトの無料配布するという仕組み。そのためお客さまの本音を取り込み、企業における改善につながったといった素晴らしいものでした。私もサラリーマン時代に同様なものがあれば、お客さまの本音を聴くことができたのではないか?と思いました。
しかもプレゼントの方法は、大きなプレゼントを当選された数人に渡すのではなく、アンケートを利用していただいたお客さま「全員」にプレゼントすることが大きな要因なのでしょう。多少面倒臭くても、スマホに依存している時代の中では、10分くらいアンケートの時間がかかってもやり続けるのかもしれません。通勤時、休憩時など1人になった暇な時間をアンケートに費やしてくれるにちがいありません。
いかにお客さまからの多くの本音を知ることの難しさが分かります。でもお客さまの声が分からないと、なぜ売れないの?なぜお客さまが来ないの?といった状況を改善することができません。マクドナルドのV字回復が物語るように、お客さまの本音を知ることが重要なポイントにつながるのではないでしょうか?
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