障害者雇用(車椅子利用)における知っておきたい夏のポイント

2019.07.22 (月)

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あなたの会社の『バリア解消』請負人 白倉栄一です。

 

今回は職場で車椅子利用者、特に脊髄を損傷した人を採用する場合に気にかけてほしいことをお伝えします。

 

今年は当初から冷夏といわれていたこともあり、さすがに7月になっても肌寒い日々が続いています。

 

しかし梅雨が明ければ、昨年までの猛暑にならないとしても、気温は上がってくるでしょう。

 

気温が暑い環境で知っておいてほしいのが、職場の空調における温度管理です。

電気代を節約するための施策がトラブルにつながってしまうことも

企業によっては、電気代を節約するために、28度で冷房を設定したり、もしくは冷房を消したまま仕事をするようなことはありませんか。

 

私は以前、社内で冷房をつけずに、うちわが配られて仕事をすることになった経験があります。

 

もちろん売場はお客さまがいらっしゃるので、ガンガンに冷やすものの、バックヤードについては経費を削減するために、一切冷房を入れないことがありました。

 

さすがに誰もが不満を口にする状況になりながらも、忍耐で乗り切るようなことが、10数年前にありました。

 

さすがに当時は現在のような猛暑になってはいませんでしたが、仕事の効率面を考えると1人1人のスピードが低下することもあり、あまりいい施策ではなかったと思っています。

 

そういったときに脊髄を損傷した車椅子利用者が働いていた場合、他の人より熱中症が発生しやすくなってしまいます。

 

なぜなら一般の健常者が汗をかいていても、汗を全くかくことができない点です。

 

脊髄を損傷した人は、汗が身体に籠ってしまい、外に出ないことがよくあります。

 

私も脊髄を損傷しているのですが、下半身では汗をかくことができません。

 

上半身でも片側の肩付近には汗が排出しておりますが、もう片側の肩付近には汗が全く排出できません。

 

しかも私の場合よりも、頸椎の損傷した方だと完全に汗を外へ排出することができないために、室内の空調については十分注意する必要があります。

 

単に経費だけを削減するために、従業員の健康を損ねてしまうのは、決してプラスにはならないでしょう。

熱中症を引き起こさないためにも空調管理が大事

実際に脊髄損傷者が通っているトレーニングジムのJ-Workoutでは、エアコンにプラスして、トレーニングをしているクライアント1人1人に対して、扇風機を当てる対応をしています。

 

熱中症を防ぐための対策となっています。

 

これから始まる暑さにおいて、上記のようなことは一般の健常者にはご存知ないことではないでしょう。

 

でも一緒に働く仲間のことを少しでも知っていただき、お互いに働きやすさを追求していくことが職場環境の改善になり、仕事の能率を高めることにもつながるでしょう。

 

「どの人も熱中症になるから当たり前だ」「根性や気合があればなんとかなる」のような考え方を持つ忍耐好きの鬼軍曹的なリーダーがいます。

 

ところがそういった考え方がトラブルを引き起こす可能性がありますし、私もそばでも1人のリーダーの頑固な考えによって、救急車で運ばれた従業員(車椅子利用者ではない)がいます。

 

障害の有無に関わらず、働いている人の身体を気にかけてあげるような組織風土が望ましいでしょう。

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