障害者雇用が進まない理由とは?「知ること」から始める前向きな一歩

2025.07.02 (水)

バリアフリーアドバイザーの白倉栄一です。

 

「障害者雇用がうまくいかない」と感じている企業の皆さまも多いのではないでしょうか。

 

法定雇用率の達成だけを目的にしてしまうと、本来の“共に働く意義”が見えにくくなり、「とりあえず雇ったけど仕事はない」といった残念な形になりがちです。

 

でも、障害者雇用をうまく活用している企業も存在します。 その違いは、“知識と視点”にあるのです。

 

今回は、障害者雇用が前向きに進まない原因と、そこから抜け出すためのきっかけづくりについてお話します。

「法定雇用率」の数字だけを見ると、発想がネガティブに

 

 

 

「うちはバリアフリーじゃないから無理」「仕事を任せられないから雇えない」 そういった言葉を耳にすることがあります。

 

これは、“できない理由”を先に考えてしまうことから生まれるネガティブな発想です。

 

実際、こんなオファーがあったこともありました。

 

飲食業の経営者から「法定雇用率のために協力してほしい」と相談を受けました。 内容は「何もしなくていいから籍だけ入れてほしい。報酬も払う」といったものでした。

 

もちろん、私は丁重にお断りしました。

 

こういった“実態のない雇用”は、一見法令を守っているように見えて、実は障害者に対する正しい理解もチャンスも奪ってしまっているのです。

 

障害者雇用は、ただ義務を果たすためではなく、共に働く中で組織や人間関係を豊かにする“可能性”を秘めています。

「知らない」からこそ、誤解が生まれている

 

 

 

障害者雇用が進まない背景には、「障害者について知らない」「バリアフリーの整備について知らない」という“情報の不足”があります。

 

知らないから不安になり、知らないから行動できない。 そのままでは前には進みません。

 

まずは講演会や研修、セミナーなどを通して、「知る機会」をつくってみてください。

 

そして、「どんな仕事なら任せられるか」「どんな配慮が必要か」といったことを、コンサルタントや経験者の話をもとに整理することで、徐々にイメージは前向きに変わっていくはずです。

ノウハウと視点があれば、人材としての可能性が見えてくる

 

 

 

障害のある方でも、残された機能や得意分野を活かして、活躍できる場面はたくさんあります。

 

足が不自由でも手が使える、手が不自由でも頭を使える、知的障害があっても驚くほどの集中力がある。

 

こうした強みに目を向けることで、“できる仕事”の幅は広がります。

 

「まずは知ること」「強みに気づくこと」「必要なバリアを取り除くこと」 その一歩ずつの積み重ねが、前向きな障害者雇用につながります。

 

「うちは難しい」と思い込まず、イメージを変えて臨んでみませんか?

 

ノウハウを手にすれば、きっと新しい道が見えてくるはずです。

 

今回は、「障害者雇用が進まない理由とその解決のヒント」についてお届けしました。

 

課題は“知らないこと”から生まれていることが多く、視点を変えることで見える世界も変わります。

 

企業にとっても、働く人にとっても、プラスになる障害者雇用を、一緒に考えてみませんか?

 

私自身が書いた著書「いつも仕事が速い人が大切にしていること」の中でも、使えるノウハウがたくさん入っております。

 

障害者向けに書いた本ではありませんが、車いすユーザーの私がやってきた仕事のやり方ですので、もしよろしければご参考になるかもしれません。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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