車椅子で行けるバリアフリー化が進みにくい業種とは?
Contents
車椅子ライフデザイナーのまおうです。車椅子生活になって20年が経過しましたが、残念ながら車椅子で行くには難しい業種があります。もしその業種がバリアフリー化となればかなり画期的だと思っております。
バリアフリー化が進まない業種には課題が大きい
先日は車椅子でライブハウスに行ける場所がほとんどないことをお伝えしました。さすがに防音上の問題から地下への設置が多く、しかも地下へ行くエレベーターなどが設置されていないケースが見られます。
階段になっているため、どうしてもライブハウスに入る場合は、1階→地下1階までみんなで車椅子を持ち上げて入室するような形になってしまいます。同じく先日利用しましたが小劇場のようなところも似ています。
それに似たところで一部の業種についてはなかなか行きにくいところがあるんです。この2業種も人手を使えばなんとかなりますが、バリアフリー化が整っていないため利用するのにためらいがちになってしまいまいます。
美容室・理容室の課題は乗り移りと障害への対応
まず1つ目は、「美容室・理容室」です。髪を切るだけの1000円カットなどは全く問題ありません。でも髪を洗う場合や、ひげを剃るといった場合は、座席への乗り移りが必要になってきます。また障害者の症状によっても、首に障害をお持ちの場合は注意も必要になってきます。
そのために美容室・理容室ではなかなかバリアフリー化が進まないように思えます。現在は人を指名できる1000円カットに行っています。人を指名できるので自分のお気に入りの人がいるときにカットします。でも15年位前には美容院・理容室に行っていました。
美容室ではさすがに専用座席への乗り移りができなかったのでカットのみになってしまいました。理容室においては男性社員が2名いたので、車椅子から専用座席へ持ち上げてくださいました。さすがに車椅子から専用座席へスムーズに乗り移れるようなものはないのが実情です。
整体での課題も美容室・理容室の課題と似ている
次に「整体」です。こちらはベッドへの乗り移りが必要になります。そのベッドは施術しやすいように幅が狭いものになっています。乗り移りが困難なだけでなく、寝返りがスムーズにできないため、うつ伏せになるのが困難なんです。
私も2度ほど行ったことがありますが、かなり厳しかったことと下半身が麻痺している中で、気づかないうちにお腹にホットパックをのせられていて、火傷をしてしまった経験もあります。
整体の先生は、「私にかかればどんな病気も治る」と豪語されていましたが、治るどころか火傷をしてしまいました。私の脊髄損傷についてご存知なかったような発言もされていました。
このようなことは私だけでなく車椅子の友人に聞いても、整体においてのトラブルはかなり発生しております。身体をリラックスさせたいのでぜひとも行きたいと思っても、自分の症状を知っている方でないと、逆に身体を痛める可能性もあるようです。
バリアフリー化が出来ればかなり業界の新旋風になるはず
この2業種においては、バリアフリー化の導入がなかなか難しいと思いますが、器具の改良や介護士の資格をもった方の対応などが出来れば、他にはないサービスの誕生となると思います。
ハードルは厳しいでしょうが、他社との差別化を図ることで新たな顧客の取り入れに繋がり、業界の中でとても画期的になることはまちがいないと思います。そういったところにバリアフリー化のビジネスチャンスがあるのではないでしょうか?
関連する投稿
- ビルに車椅子で利用できるトイレがあるだけでトリプルWINにつながる理由
- バリアフリーへの第1歩は車椅子への試乗からスタートする
- バリアフリーの考え方は「あればいい」から「使いやすい」へ変えていく時代
- 店舗入口に段差解消ステップだけではバリアフリーにならない
- 「たった1段」の有無だけでバリアフリーの姿勢を意味してしまう
現在の記事: 車椅子で行けるバリアフリー化が進みにくい業種とは?