エレベーターにも“思いやり”を。車椅子やベビーカー利用者が安心できる2つの工夫

2025.05.12 (月)

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バリアフリーアドバイザーの白倉栄一です。

 

商業施設をはじめ、さまざまなビルに欠かせない存在となっているのがエレベーターです。

 

近年では、車椅子利用者だけでなく、ベビーカーを利用する方も増えており、より多くの人がエレベーターを必要とする時代になりました。

 

その中で、安全・安心に利用してもらうために、実はちょっとした工夫が大きな効果を生むことがあります。

 

今回は、誰もが使いやすいエレベーターにするための2つの工夫をご紹介します。

 

1. エレベーターの開閉時間を調整することで、事故を未然に防ぐ

 

車椅子利用者がエレベーターに乗る様子

 

 

車椅子でエレベーターに乗り込む際、気になるのがドアの開閉時間の短さです。

 

特に、奥行きが狭いエレベーターでは、乗り込む位置を調整している間に扉が閉まってしまい、車椅子に接触するケースもあります。

 

勢いよく閉まることはないものの、精神的には不快に感じる方も多く、「また利用したい」と思ってもらえなくなってしまいます。

 

こうしたリスクを避けるためにも、開閉時間をやや長めに設定することをおすすめします。

 

ただし、混雑する施設では、すべてのエレベーターの開閉時間を長くしてしまうと、利用者全体の待ち時間が増加します。

 

そのため、複数台あるうちの1台を「優先エレベーター」として設定し、開閉時間を長めにするなどの工夫が有効です。

 

「優先エレベーター」という明示があることで、利用者の安心感にもつながります。

 

2. 鏡の設置で“見えない不安”を解消する

 

 

 

次におすすめしたいのが、エレベーター奥の上部に鏡を設置することです。

 

空いているエレベーターであれば車椅子でも向きを変えて前向きで降りられますが、混雑している場合はバックで降りる必要があります。

 

車椅子にはバックミラーやモニターがなく、後方の確認ができないことによる不安や衝突のリスクが常にあります。

 

そこで鏡があることで、後方確認ができるようになり、安心してバック操作ができるようになります。

 

特別な設備でなくても構いません。

 

ホームセンターなどで販売されている簡易ミラーでも十分です。

 

私が管理していた店舗でも鏡を設置しており、トラブル防止に非常に役立ちました。

 

店舗経営で最も避けたいのは事故やトラブルです。

 

私は人事総務課長として、損害賠償や示談交渉に長期間かかった経験もあります。

 

小さな工夫であっても、利用者にとっては大きな安心につながります。

 

エレベーターの設計や運用に、こうした視点を取り入れることをおすすめします。

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