「その“親切”がバリアになる?カラーコーンが障害者用駐車スペースに与える影響とは」
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「障害者用駐車スペース」に置かれた思いやりの“落とし穴”
商業施設や病院などに設置されている障害者用駐車スペース。
多くの場所で、無断駐車を防ぐ目的でカラーコーンやバーを設置している様子を見かけます。
確かに、これは「健常者による無断使用を防ぐ」という意図から来ている善意の取り組みです。
しかし、この取り組みがかえって本当に利用すべき当事者にとって“バリア”になってしまうことをご存知でしょうか?
カラーコーン・バーは、ひとりでは動かせない
たとえば東京都内のある公共駐車場では、カラーコーンとバーが4重にも設置されていました。
ここまでされていれば、確かに無断駐車は防げるでしょう。
しかし、車椅子利用者がひとりで運転して訪れた場合、そのコーンをどかすことは非常に困難です。
「係員を呼べばいいのでは?」と思うかもしれませんが、問題は“その場で呼ぶ手段がない”こと。
駐車場に入ってみて初めてコーンに気づいた場合、車内から身動きが取れず、結局駐車を諦めて出庫するケースも少なくありません。
出庫時に料金を請求されるケースも
さらに残念なことに、利用できなかったにも関わらず、出庫時に駐車料金が発生してしまうこともあります。
近くに係員がいれば説明もできますが、誰もおらず、ボタンもない場合は泣き寝入りして料金を支払うしかないのが現実です。
話しかけられない人もいるという現実
通行人が近くにいれば、車内から「コーンを動かしてもらえますか?」と声をかけられることもあるでしょう。
私は人に頼みやすい性格ですが、すべての人がそうではありません。
それゆえ、障害者用スペースがあっても、実際には“使えない”というバリアが生まれてしまいます。
提案:柔軟な運用が「こころのバリアフリー」になる
このような状況において、私は次のような提案をしたいと思います。
「障害者用駐車スペースが空いていない場合、一般駐車スペースを2台分使えるようにする」
この方法であれば、車椅子の乗降スペースも確保でき、安心して駐車できます。
柔軟な対応こそが、真の“こころのバリアフリー”ではないでしょうか。
施設側の皆さまには、今一度「誰のためのスペースか?」という原点に立ち返り、運用方法を見直していただければと思います。
小さな配慮が、大きな安心につながるのです。
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