「車椅子の前輪が生む見えないバリア ― 石畳・砂利・グレーチングの落とし穴」
あなたの「やさしさ」が届く社会へ。
“こころのバリアフリー”を、一緒に考えてみませんか?
車椅子には前輪と後輪がありますが、
その「前輪」が思わぬバリアになることをご存知でしょうか?
車椅子の前輪は小さく、
チューブ式ではないノーパンクタイヤが使われています。
このタイヤ、素材はとても硬く、
食品スーパーのカートのような感覚に近いです。
そのため路面の凹凸に対して敏感で、
振動が直接身体に伝わりやすくなります。
快適なバリアフリーを目指すなら、
前輪の特性によるNGポイントを知っておくべきでしょう。
意外と見落とされる路面の落とし穴
見た目が美しい石畳は、観光地や商業施設でも人気ですが、
車椅子の前輪が隙間に挟まりやすく、非常に危険です。
実際、私も神社の境内で石畳に前輪がはまり、
同行者が支えてくれなければ大怪我していたかもしれません。
さらに危険なのがグレーチング(溝蓋)。
格子状の鉄製蓋に前輪がはまり、
身体が投げ出されることも何度も経験しました。
また、砂利・土・芝生といった柔らかい地面も、
前輪が沈んでしまい動けなくなります。
特に玉砂利は、まるで蟻地獄のように抜け出せなくなります。
見た目は平坦でも、
実際の走行には向かないケースが多々あるのです。
このように世の中の路面には意外と一般の人には気がつきにくいバリアがあります。
平坦なので大丈夫だと思っていたら、
大きなケガにつながる場合があるでしょう。
本当のバリアフリーを実現するには、
設計段階から車椅子の構造を理解することが不可欠です。
ぜひ、実際のユーザーの声を聞いてみてください。
知ることが、やさしさの第一歩です。
次の記事では、また違った「こころのバリア」についてお話しします。
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