「トイレがないから立ち寄れない」──車椅子利用者が“選ばない理由”と、バリアフリーで選ばれる店づくり

2025.07.19 (土)

「バリアフリーって、専門的で難しそう…」
 

そんなふうに思っている方にこそ知ってほしい、日常のちょっとした“気づき”が、集客やサービス向上につながるという話をお届けしています。
 

今回は「トイレ情報の“見える化”」がなぜ重要なのか、車椅子ユーザーの視点から考えてみます。

 

今どきの車椅子利用者は「移動型」──全国を旅する人が増えています

 

 

近年、手動運転装置のついた自動車を使って、車椅子利用者が一人で全国各地を巡るケースも珍しくありません。

 

また、トヨタのウェルキャブ(福祉車両)のような、家族や友人と出かけられる車も普及してきました。

 

つまり、「車椅子=外出しない」ではなく、「移動しながら楽しむ」という選択が当たり前になってきているのです。
そこで重要なのが、目的地や途中に“安心して利用できる施設”があるかどうか

 

とくにトイレの情報は、そのお店・施設を立ち寄るかどうかを左右する大きな要因になります。

なぜトイレがあるだけではダメなのか?

 

 

車椅子ユーザーにとって、旅行中に一番困るのが「トイレの場所がわからない」ということです。
 

そのため多くの人が利用するのが、高速道路のサービスエリア・道の駅などです。
 

これらの施設には多目的トイレ(多機能トイレ)があると認知されているからです。

 

しかし一般の飲食店や商業施設では、仮にトイレがあったとしても、その情報がネットや入口に表示されていないことがほとんど。
 

 

そのため「知らない=立ち寄らない」という選択になってしまいます。

 

 

例えるなら、“トイレを探す旅”は宝探しのようなもの
 

たまたま見つけた時に「ラッキー!」と思うことすらあります。

 

 

また、「一般のトイレがあればいいのでは?」という意見もありますが、車椅子では一般トイレには物理的に入れません
 

歩行が困難で車椅子を利用しているため、そのまま入れて、安全に回転できる広さ(2m×2m以上)と手すりの設置が不可欠なのです。

 

 

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「トイレがあると伝えること」が、集客の第一歩になる

 

 

 

車椅子利用者は、トイレがあるかどうかが不明なお店にはそもそも入りづらいのが実情です。
 

ホームページにも書かれていない。道を走っていても看板に表示がない。
 

だからそもそも立ち寄り候補にすらならないのです。

 

 

どれだけおいしい料理を提供していても、「トイレがないかもしれない不安」のほうが優先されてしまいます。

 

 

一方で、トイレがあると明確に発信している施設には「そこに寄ろう」と事前に計画を立てる人が増えます
 

つまり、バリアフリーの情報発信は店舗選びの基準になっているのです。

 

 

旅行計画の段階から、「トイレがあるからこの店に行こう」と選ばれる時代
 

これからの商業施設には、ハード面の整備と、情報の見える化の両方が求められています。

 

 

「トイレがある」「バリアフリー対応している」という情報を、もっと気軽に・具体的に発信すること。
 

それが、高齢者・障がい者・家族連れの“選ばれる理由”になるのです。
 

今できる小さな一歩から、未来の顧客満足につなげてみませんか?

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