【保存版】段差のバリアが集客を左右する!バリアフリー店舗設計の必須ポイントと施工基準

2025.06.10 (火)

バリアフリーアドバイザーの白倉栄一です。

 

これからバリアフリー化を進める店舗・商業施設の皆さまへ。

 

今回は、車椅子利用者にとって外出時の大きな障壁となる「4大バリア」の中から、とくに集客に直結する「段差」の問題について詳しく解説します。

 

【結論】段差対策は店舗の集客力を大きく左右する

 

車椅子ユーザーにとって大きなバリアは次の4つです。

 

  • 多目的(身障者用)トイレがない
  • 身障者用駐車スペースがない
  • 段差がある
  • 通路幅が狭い

 

この中でも「段差」は、ほんの数センチでも致命的な問題になることをご存知でしょうか。

 

集客を考える店舗にとって、段差対策を怠ることは大きな機会損失を生むリスクがあります。

 

【理由】たった1段の段差でも車椅子ユーザーは利用を諦める

 

「1段くらいなら大丈夫でしょ?」と考える方も多いかもしれません。

 

しかし、実際には1cm程度が安全な限界です。

 

基準では2cmまでとされていますが、それでも前輪のキャスターを持ち上げないと乗り越えられません。

 

7cm以上の段差になると、アスリート級の技術がない限り自力ではクリア不可能です。

 

さらに2段以上の段差になると、介助者の力だけではなく複数人の補助が必要になるため、一般の車椅子ユーザーにとっては完全に利用不可となります。

 

【具体例】スロープ設置は勾配基準を必ず守る

 

段差対策としてスロープを用意する場合、重要なのは「勾配基準」を守ることです。

 

基準は1/12、つまり1mの高さに対して12mの長さが必要です。

 

角度にすると約4.8度です。

 

車椅子で自走するには少し大変ですが、一般的には介助者が必要となる場合が多いです。

 

ベストとなると基準は1/15、1mの高さに対して15mの長さが必要になります。

 

角度で約3.8度で、車椅子での自走が可能です。

 

「とりあえずスロープを設置すればOK」と安易に考えるのではなく、利用者が安全に使える仕様にすることが欠かせません。

 

【提案】段差対策は専門家と当事者の意見を取り入れる

 

設備投資をするなら、確実に使える形に仕上げることが最も重要です。

 

残念ながら、現状は「せっかく作ったのに使いにくい」と評価されてしまう施設が多いのが実態です。

 

専門家や当事者の声を施工前に取り入れることで、実用的なバリアフリーが実現できます。

 

これが最終的に集客力や施設評価の向上につながるのです。

 

【まとめ】

 

  • 段差はわずか1cmでも車椅子ユーザーには大きな障壁になる
  • スロープ設置は「勾配基準1/12」を厳守する。できれば「勾配基準1/15」が望ましい
  • 専門家・当事者の意見を取り入れて、実用的な設備にする
  • 段差対策は集客力向上に直結する投資

 

【メッセージ】

 

あなたの施設は、本当にすべてのお客さまを迎え入れる準備ができていますか?

 

段差対策は設備投資の中でも最優先に取り組むべき部分です。

 

今からでも遅くありません。

 

ぜひ当事者の声を取り入れて、集客力の高い、誰もが利用できる店舗を目指しましょう。

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