商業施設におけるきれいな多目的トイレの維持について
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バリアフリースタイル代表の白倉です。車椅子やベビーカーを利用する方々にとって店舗に多目的トイレの有無が大きく影響しますが、実際に多目的トイレがあってもきれいであることが大事なポイントになります。ではどういった点に注意した方がいいのでしょうか?
トイレが汚いのはお客さまを遠ざけてしまう
先日使用した某ショッピングモールでの出来事です。各フロアに数ヶ所ずつ多目的トイレが設置している店舗で、私はレストラン街のある1階フロアの多目的トイレを利用しました。ところが便器周辺は尿でびしょびしょになっていて、ゴミ箱には新聞紙やチラシが大量においてあり、床には飲み終わった珈琲カップが落ちていました。
「清掃をしていないのでは?」と思ってしまいましたが、清掃担当者の時間帯別の記録が記載していましたので、全く清掃していないわけではありません。前回の清掃時間については確認することができませんでしたが、相当汚かったのは事実です。お客さまの立場を考えると利用したくないと思ってしまうでしょう。
長年、総合スーパーにおいて管理する立場にいましたので、清掃についてはいろいろと指示していました。私のいた職場は、関連会社にお願いしていましたが、ものすごく徹底した清掃をしてくれていたことを覚えています。しかも清掃担当者のアイディアでトイレに一輪挿しを用意したり、少しでも利用しやすくなるトイレを目指していました。
もちろんトイレによるトラブルもありました。夜20時半ごろに大量のコーラのペットボトルを購入するお客さまが、2階男子トイレを利用した後に洋式トイレが詰まるといった事件が発生していました。私と警備員がその状況を探り、洋式トイレにトイレットペーパーを1本丸ごと便器に投入していることを突き止めて、本人を捕まえて警察へ通報したことがあります。
いたずら・嫌がらせなどにおける対応も重要なポイント
以上のことをふまえると、清掃の徹底といたずら・嫌がらせなどの防止が必要になります。まず清掃については、商業施設における汚れの度合いは各フロアにおいて一定ではないはずです。多人数の利用する場所については、清掃回数を増やしていく必要があるでしょう。汚くなる前に対処することで利用されるお客さまにご満足していただける取り組みが望まれます。
あとはいたずら・嫌がらせなどが発生しないように警備員の定期的な巡回が必要になります。こういったことは多かれ少なかれ予兆があるでしょう。このトイレだったらトラブルを発生させてやろうと思う者がいる可能性があります。巡回を増やすことによってトラブルを回避できるでしょう。
またトイレ近くで仕事をしている従業員に不審な人物がいないかどうかを周知しておく必要もあります。不審な人物を見かけ次第、すぐに防災センター及び管理する立場へ連絡する体制をつくっておくといいでしょう。そして防犯カメラなどで不審な人物のチェックなどもしておくこともおすすめです。
清掃担当者だけでなく店舗全体で取り組む課題
お客さまにご満足いただくためにはトイレの清潔さは重要なポイントです。特に多目的トイレについてはいたずら・嫌がらせなどが多く発生しがちです。そのためには日々の管理体制が重要になります。清掃担当者だけでなく店舗全体の課題ととらえて、いろいろな立場の方々と周知・徹底していくことが必要になるでしょう。
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