車椅子でも利用しやすいスロープの勾配を考えてみる

2018.12.02 (日)

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あなたのお店の『バリア解消』請負人

バリアフリースタイル代表の白倉栄一です。

 

お店の入口には段差があるから、

車椅子でお越しになるお客さまや

ベビーカーを利用されるお客さまのために

スロープを設置するケースがあるでしょう。

 

本当にありがたいことです。

 

ところがこのスロープにおいては、

残念ながら多種多様になっており、

場合によっては

危険につながることもあるんです。

 

しかも、使いにくいスロープの場合は、

せっかくスロープを造ったにも関わらず、

バリアの解消どころか

バリアを余計に作ってしまうんです。

 

これって気持ちとは逆に

改悪になってしまうんです。

 

だからこそスロープのポイントを

きちんと知っておいたほうが

大事なんです。

 

そのためスロープ設置については、

勾配・距離などをきちんと検討した上で、

設計されることをおすすめします。

スロープの勾配基準は「1/12」

車椅子利用のための勾配基準は

「1/12」となっており、

国土交通省のホームぺージにも

記載されております。

 

この基準よりも急勾配になった場合は、

車椅子のまま自力で上ることが難しいだけでなく、

介助の人がいる場合においても、

車椅子を押すために

大きな負荷がかかって疲れてしまいます。

 

そのためできる限り、

勾配の角度には十分注意することが必要です。

 

でも実際には、「1/12」でも

意外に急だと感じることがあります。

 

スロープの距離が長い場合は「1/12」でも

結構疲れてしまうケースもあるでしょう。

 

その人の体力の問題や障害レベルによって、

勾配の走行に対する疲労度は

大きく変わってくると思いますが、

あまりにも距離が長い場合は、

できるだけ「1/12」より

緩やかなスロープが望ましいでしょう。

勾配の有無は見た目で判断しにくい

車椅子を乗っていて感じるのが

見た目は大丈夫そうに見えても、

若干の勾配が長く続くと、

途中で休んだりしなければ

走行できないがあるものです。

 

もしスロープが長く続く場合であれば、

途中に平坦なスペースを

設けるといいかもしれません。

 

 

自転車でイメージしてほしいのですが、

いきなり坂を駆け上がろうとすると、

はじめのスタートに

かなり負荷がかかりますよね。

 

これは車椅子においても同様です。

そのため多少の助走区間があると、

坂を駆け上がるのはかなり楽になります。

 

車椅子も坂の手前から

スピードをあげていくことで、

よりスムーズに坂を上ることができます。

下る場合により注意が必要となる

またその助走区間については、

上りだけでなく下りの場合に

もっと重要なポイントがあります。

 

坂を下りると当然のごとく、

自然にスピードが加速します。

 

その際、よくあるのが

下った正面に壁があることをよく見かけます。

 

坂ではハンドリムを握りながら

スピードを調節して下りていくわけですが、

坂を下り終えた時点で

ハンドリムを強く握らなければなりません。

 

もし握るのが遅れたら、

目の前にある壁へ

勢いよく激突してしまいます。

 

状況によっては

大事故につながってなってしまうんです。

 

だからこそスロープ設置については、

勾配の角度やスペースなどを

きちんと注意した上で設計することを

おすすめします。

 

また車椅子を日頃使っている当事者の意見を

参考にしてみるといいでしょう。

 

なぜなら意外と当事者不在で

決めてしまうことで、

バリアフリーの設計は

失敗してしまうことがあります。

 

それが落とし穴なんです。

 

せっかくお金をかけて造るのであれば

少しでも利用者に使いやすいと

感じていただける設計に

なったほうがうれしいですよね。

 

ぜひとも悩まれるようなことがあれば

ホームぺージまでご連絡ください。

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