ショッピングモールのバリアフリーが逆効果に?利用者ががっかりする3つの落とし穴とは
バリアフリーアドバイザーの白倉栄一です。
車椅子を利用している人・そして家族・友人などがどこにバリアフリーのスポットがあるかを探していても、なかなか見つからないことがほとんどです。
その反面、ショッピングモールなどの商業施設は、わざわざHP等で調べなくても「ここはバリアフリーだろう」と思われることが多く、安心感と人気を集めています。
でもそんな状況においても、ついついやらかしてしまいがちな落とし穴があることをご存知でしょうか。
その落とし穴を防ぐためには、日頃の細やかな管理が欠かせません。
何気なくトラブルを招きやすい3つのポイントとは…
調べなくても安心して使えるという期待が高いからこそ、ほんの少しのバリアが余計に目立ってしまい、クレームにつながることもあります。
では、特に注意すべき3つのポイントをご紹介します。
1. トイレのトラブル
車椅子利用者にとって、最も期待されるバリアフリーポイントは「トイレの使いやすさ」です。
多目的トイレがあるかどうかは、外出先を選ぶうえで大きな基準になります。
段差がなくても、通路が広くても、トイレが使えなければ長時間の滞在は難しいのです。
そのトイレが汚れていたり、掃除用具やゴミ箱が邪魔になる位置に置かれていたりすると、期待を裏切る形になりかねません。
2. 駐車場のトラブル
イベントなどで店頭スペースを使用する際、うっかり身障者用駐車スペースを塞いでしまうケースがあります。
「どうせ誰も使わないだろう」と思って閉鎖してしまうのは大きな間違いです。
代替の専用スペースを用意することが望まれます。
これを怠ると、せっかくの来店者を怒らせてしまう可能性があります。
3. 店内の狭い通路
商品配置によって、車椅子での移動が難しいレイアウトになっていることがあります。
特に衣料品売り場では、ハンガーラック同士の間が狭すぎて、服にタイヤが当たってしまうことも。
利用者が気を遣い、無理に通れないと感じるような通路は、見直しが必要です。
クレームにはならないかもしれませんが、「入りづらい」「また行きたくない」という印象を持たれてしまいます。
日頃からバリアになっていないかを巡回してチェックする
ご紹介した3つのポイントに共通するのは「日頃のチェックの甘さ」が原因であることです。
ショッピングモールには、車椅子利用者が必ず数人は訪れる時代になっています。
小さな配慮と確認の積み重ねが、「また来たくなる」バリアフリーの店づくりに直結します。
「うちは大丈夫」ではなく、「今日も大丈夫だったか?」を日々見直す意識が、トラブル防止と好印象の鍵です。
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