障害者も喜ぶお店づくり|設備設置後に必ずやるべき情報公開とは
バリアフリーの設備を整えれば、それだけで車椅子利用者に十分貢献できる——そう考えている経営者の方はいませんか?
確かに、それだけでも利用者にとっては大きな喜びです。現状、バリアフリーの店舗はまだまだ少ない中で、あなたのお店がバリア解消のために尽力してくださることは、心から感謝されることでしょう。
しかし、それだけでは十分とは言えません。実は、もうひとつ欠かせない大事な要素があります。
探してもなかなか見つからないバリアフリー店舗
それは何かというと、「バリアフリーの設備を作ったことを情報公開する」ことです。
車椅子利用者は、世の中にバリアフリー施設が圧倒的に少ないため、日々インターネットなどで情報を探しています。しかし、行き当たりばったりで見つかることはほとんどありません。
たとえば路面店の飲食店で多目的トイレがあるかどうかを調べても、ほとんど検索結果はゼロ。段差がないお店でさえ、都内では非常に少ないのが現状です。
先日、都内でセミナー帰りに受講者と懇親会ができる場所を探したところ、50軒中段差なしのお店はわずか1軒。しかもそのお店にも多目的トイレはありませんでした。
大型商業施設やショッピングモールならバリアフリー化が進んでいますが、そういった施設がない地域も多く存在します。バリアフリーがないことが前提になっていると感じるほどです。
しかし実際には、情報公開されていないだけでバリアフリー化されている店舗もあります。だからこそ、情報公開の重要性は非常に高いのです。
情報公開が人の役に立つ第一歩
失礼な言い方かもしれませんが、情報公開されていないバリアフリー設備は、人の役に立っていないと言っても過言ではありません。
現在はWheeLogなど、バリアフリー情報を共有するアプリがあり、障害の有無に関わらず多くの人が登録・検索をしています。
それでも現状は「掘り起こしてはじめて分かる」ケースが多く、〇〇店がバリアフリーで多目的トイレまであると分かるのは、情報を探し出した後のことです。
つまり、
① バリアフリーのお店を探している
② しかしなかなか見つからない
③ バリアフリーマップで多くの人が検索している
④ 情報を掘り起こしてやっと判明する
⑤ 初めて存在が知られる
本来は、この「発見される前」に世の中に知ってもらうべきなのです。
もう「男は黙って◯◯ビール」というように、あえて表に出さないのが美徳という時代ではありません。今は、ホームページやSNSなど様々な媒体を通じて情報公開し、多くの人に知ってもらうことこそ価値があります。
それによって、車椅子利用者はあなたのお店がバリアフリーであることに気づき、来店し、最終的には売上や社会貢献にもつながります。
これは経営者にとっても、車椅子利用者にとっても、まさにWIN-WINの関係と言えるでしょう。
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