「えっ、ここがバリアフリーに?驚きが口コミを生む時代」

2025.08.15 (金)

「接客って、ちょっとしたことで“好き”にも“残念”にも変わってしまう」
このシリーズでは、バリアフリーな接客を実現するためのヒントを、現場での具体例とともにお伝えしています。

 

「ここはバリアフリーではないだろうな…」

 

そんなふうに思っていた場所が、ある日突然バリアフリーになっていたら…?

 

そのサプライズは、人の心を動かします。

 

そしてSNSや口コミで広まり、車椅子利用者が自然と集まるスポットに変わっていきます。

 

それが店舗や商業施設であれば、

当然、売上にも直結します。

そして、人にやさしい社会貢献にもつながるのです。

 

バリアフリー化は喜ばれるだけでなく、ビジネスにも好影響をもたらします。

 

今後は“サプライズ”が成功の鍵に

20年以上車椅子で生活してきた私は、
「ここは多分無理だろうな…」と先に想像してしまうクセがついています。

 

とくに歴史ある建物や寺社仏閣は、構造上の制限があるため難しいと思っていました。

 

しかし、東京・浅草にある浅草寺の本堂がバリアフリー対応になったときは、本当に驚きました。

 

それは私にとって、まさに“サプライズ”でした。

 

きっと知恵と工夫を凝らして

実現されたことだと思います。

 

例えば、スロープがあえて固定されていない設計になっている点も印象的でした。

 

おそらく、歴史的建造物に傷をつけないよう、釘を使わずに設置する工夫があったのだと思います。

 

もちろん、コストや専門知識も必要だったはずですが、

 

だからこそ、私たち利用者は「ここがバリアフリーになったの!?」と感動し、「行ってみたい!」という気持ちが生まれるのです。

 

参拝者が増えれば、その周辺の仲見世通りなども賑わい、経済的な波及効果も生まれます。

 

“見せかけ”のバリアフリーでは意味がない

ただ、逆に残念なケースもあります。

 

例えば本堂がバリアフリーになっていても、そこまでの道が砂利道であれば、車椅子では進めません。

 

結果的に「せっかく整備したのに、使えない」状態になってしまいます。

 

車椅子は前輪が小さいため、砂利や土の道では埋もれてしまい、ほとんど進めないのです。

 

段差をなくせばバリアフリーと考える人も多いのですが、

実際にはそれだけでは不十分です。

 

本当に使えるバリアフリーにするには、車椅子ユーザーの声や目線を取り入れることが大切です。

 

利用者の本音が、未来のヒントになる

車椅子利用者がなぜショッピングモールで食事するのか

 

答えは単純です。「バリアフリーだから」。

 

でも、もしバリアフリーの個人レストランが増えたらどうなるでしょう?

 

多くの人は「そっちの料理が食べたい」と思うはずです。

 

つまり今は“バリアフリー”という条件が優先されているだけで、

本当は“食べたいもの”があるということです。

 

バリアフリー化によって選択肢が増えれば、
それは利用者の自由と楽しさを広げることになります。

 

そして結果的に、選ばれるお店になるのです。

 

今こそ、気づいたお店が一歩先へ。

 

▼シリーズ共通の締めのひと言
「気づき」は、誰かの安心につながる。
今日も一歩、やさしい接客を。

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