「段差がない=バリアフリー」ではない? 本当に伝えるべき情報のチェックポイントとは
今回は、お店のスタッフがつい見落としがちな “バリアフリー情報の伝え方” について、車椅子ユーザーの視点からお伝えします。
あなたのお店の『バリア解消』請負人 白倉栄一です。
よく健常者の方から「このお店、バリアフリーだったよ」と耳にします。
でも実際に訪れてみると、「えっ、これがバリアフリー?」と感じてしまうこともあります。
もちろん、気にかけていただけたことは嬉しいのですが、バリアフリーの見方は、健常者と車椅子ユーザーの間に大きなズレがあるのです。
特に接客業に携わる方にとっては、
お客さまに伝える「正確な情報」が重要な意味を持ちます。
段差がなければバリアフリー?
「段差がなければバリアフリー」という認識は、実はとても浅い情報です。
確かに段差の有無は重要ですが、それだけでは車椅子ユーザーが利用できるとは限りません。
なかでも見落とされがちなのが「トイレの情報」です。
トイレが“使える”かどうかが鍵
トイレの広さ・手すり・ユニバーサル設備など、車椅子利用者が必要とする条件は人それぞれです。
車椅子は幅60~70cmほど。
回転や移動のためには 2m×2m 以上のスペースが必要です。
また、手すりの有無や、ユニバーサルベッドの設置なども重要なポイントになります。
実際、多機能トイレがある施設は、入口にも段差がないことが多いのです。
しかし、段差がなくても「車椅子で利用できないトイレ」のお店がほとんどというのも現実です。
画像だけでは分からない情報をどう補うか
設備があるかないかだけでなく、「どのような設備か」「どれくらいの広さか」を伝えることが大切です。
画像に加えてサイズ表記(例:幅・奥行き・入口幅)があると、利用者の安心感が一気に高まります。
車でのアクセスと駐車の工夫
もう一つ重要なのが「車で来店できるかどうか」の情報です。
たとえ専用の障害者スペースがなくても、横に1m以上のスペースがあれば乗降可能です。
必要であれば、2台分のスペースを利用してもらう、または短時間だけ移動をお願いする——そんな柔軟な対応も「こころのバリアフリー」につながります。
伝えるべき4つのポイントとは?
- 段差の有無
- 多機能トイレの有無(設備内容・サイズ)
- 駐車スペースの有無とスペース幅
- 通路の広さやテーブル高さ
これらを正確に伝えれば、「安心して来店できるお店」として信頼されるようになります。
さらに、実際に何度も質問を受けて場数を踏むことで、伝え方の質も磨かれていきます。
つまり、バリアフリー対応は「慣れ」と「伝え方」が鍵なのです。
◆最後にひとこと
お店が「使える・使えない」の分かれ目は、実は「伝える情報」によって変わります。
その一言が、新しいお客さまの一歩になるかもしれません。
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