「バリアフリールーム」の落とし穴?安心を生む“情報の見える化”とは

2025.05.25 (日)

バリアフリーアドバイザーの白倉栄一です。

 

私は車椅子生活になって27年になりますが、旅行先での「宿泊」は今でも不安を感じる場面が多くあります。

 

その大きな理由は、宿泊する部屋の情報が事前に十分に分からないからです。

 

「バリアフリールーム」と言われても、実際にはどんな部屋なのか分からず、現地で困る

 

そんな経験をしてきたからこそ、「見える化」が必要不可欠だと感じています。

 

本当に使える?広いだけのバリアフリールーム

 

 

実際に私が体験したのは、大手ホテルチェーンの「バリアフリールーム」に宿泊した時のこと。

 

広さは十分でしたが、風呂とトイレに段差があり、まったく使うことができませんでした。

 

フロントにその旨を伝えると、「我慢してください」と言われた苦い経験もあります。

 

こうした「使えないバリアフリー」では、逆にお客さまの信頼を失ってしまうでしょう。

 

また、障害の状況は人それぞれ違うため、広さや手すりがあるだけでは「使えるかどうか」は判断できません。

 

だからこそ、事前に正しい情報を公開し、利用者自身が判断できる環境をつくることが、
クレーム防止や安心につながるのです。

 

不安を解消する「情報公開」のすすめ

 

 

バリアフリー対応を公表することで「クレームが怖い」と感じる宿泊施設も少なくありません。

 

しかし逆に、「ここまでオープンにしているんだ!」と好印象を持ってもらえる宿になれば、
安心感・集客・社会貢献のすべてを実現できるチャンスになります。

 

具体的には、次のような情報公開をおすすめします。

 

  • 360度カメラによる室内の全貌公開
  • 風呂・トイレ・ベッドなどのサイズや高さを具体的に明記
  • 車椅子からベッドやトイレへの乗り移り方法を動画で紹介
  • 実際のスタッフの対応を動画で紹介

 

ここまでやる宿泊施設は、まだほとんどありません

 

たとえ「うちの設備はまだ不十分」と感じていても、現状を正直に公開し、使い方を伝えることが、
「親切で信頼できる宿」として選ばれる第一歩になるのです。

 

「全ての人にフィットしない」からこそ、情報公開が価値になる

 

 

もちろん、どんなに設備が整っていても、すべての人に100%フィットするわけではありません

 

それでも、事前に情報が見えることで、「自分には使える」「今回は難しそうだから他を探そう」と利用者自身が納得して判断できます。

 

これがクレームを防ぎ、安心して選ばれる宿づくりにつながるのです。

 

「バリアフリールーム」を名乗るなら、今こそ「情報の見える化」に取り組んでみませんか?

 

その一歩が、他にはない強みとなり、新たなお客さまとの出会いを生み出します。

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