予約の不便さが集客機会を失う|バリアフリー対応は“見える化”と“簡単化”がカギ
バリアフリーアドバイザーの白倉栄一です。
車椅子利用者が宿泊施設や公共交通機関の指定席などを予約する際、いまだに「面倒な予約手続き」に直面するケースが多々あります。
最近は、新幹線の予約方法など今まで面倒だったことが少しずつ改善されています。
でも障害者の当事者目線からすると、まだまだ企業にとって後ろ向きのように感じてしまいます。
特にネット時代の今、予約方法がアナログなままだと、利用者の満足度を大きく損ねてしまいます。
今回は、経営者の皆さまに向けて、バリアフリー対応における「予約の簡便化・見える化」の重要性をご紹介します。
POINT|予約の手間は“集客障壁”になる
バリアフリー対応をしていても、予約方法が複雑だと利用者はその施設やサービスを選びにくくなります。
特に予約時点での「わかりやすさ」は集客につながる重要な要素です。
REASON|デジタル時代に“アナログな予約”は敬遠される
一般のチケットや宿泊予約はネットでスムーズにできるのが当たり前の時代です。
しかし、バリアフリールームや車椅子席などの予約は、ネット非対応なケースが多く、空室状況すらネットで確認できないこともあります。
結果として、利用者は「問い合わせ方法がわからない」「空いているのか不明」となり、仕方なく電話をかけることになります。
これは利用者にとって大きな負担です。
EXAMPLE|“空いているかわからない”が旅行の意欲を奪う
私も実際にバリアフリールームの予約を試みた際、ネットでは空室状況が確認できず、やむなく電話で問い合わせをしました。
結果、「その日は埋まっている」と案内され、同様のやり取りが5軒以上続くと、旅行自体を諦めたくなるほど疲弊します。
このような状況では、利用者だけでなく、企業側も電話対応に時間を取られ、双方にとって無駄な労力が発生しています。
POINT|簡単な“見える化”で集客につながる
バリアフリー対応における予約は、以下の改善だけでも大きな効果を生みます。
- ネット上で空席・空室状況を見える化する
- 予約方法を明確に記載する(ネット/電話/メール)
- よくある質問(FAQ)としてケース例を掲載する
外国人観光客が増加する中、ネット予約ができない施設は選ばれにくくなっていくでしょう。
こうした改善は企業側にとっても対応数の削減につながります。
「見える化」と「簡単化」を意識することで、バリアフリー対応の真価が活き、結果的に集客効果も高まっていくのです。
今こそ利用者の視点に立ち、予約フローを見直してみてはいかがでしょうか。
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