「高い受付カウンター」が生む見えないバリア 〜車椅子ユーザーや低身長の方への気づきと配慮〜

2025.05.09 (金)

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バリアフリーアドバイザーの白倉栄一です。

 

最近はカフェスタイルのお店が多くなっており、受付カウンターの高さが100〜120cmほどのデザインが主流になってきました。

 

しかし、車椅子利用者の目線ではその高さのカウンターはちょうど同じか、やや上になり、メニューが見づらくなってしまうことがあります。

 

受付カウンターが高いと気軽に購入できない人がいる

 

 

 

 

車椅子利用者に限らず、身長の低い方や高齢者も高い受付カウンターには圧迫感を感じやすく、気軽に利用しづらい雰囲気になりがちです。

 

ちょっとコーヒーを飲みたいと思っていても、「どうしようかな…」と迷い、その結果「やっぱりやめよう」と思ってしまうことも少なくありません。

 

だからこそ、お店側の「さりげない一言」が大きな差を生みます。

 

お客さまがメニューを見て戸惑っているような様子があれば、「お探しのものがあればお声かけください」「メニューご案内しますよ」といった一言を添えるだけで、安心感が生まれます。

 

人は「迷っているとき」に背中をそっと押してもらえることで、一歩を踏み出しやすくなります。

 

たとえ利用されなかったとしても、丁寧な声かけが印象に残り、次の来店や口コミにつながることもあるでしょう。

 

接客対応は臨機応変にできるテクニックを育成する

 

 

 

 

受付カウンターを物理的に低くできない場合でも、「人の工夫」で補える部分はたくさんあります。

 

たとえば車椅子のお客さまが来店した際、従来通りカウンターの中から「いらっしゃいませ、何になさいますか?」と声をかけてしまうと、顔が見えず、威圧感さえ感じさせてしまいます。

 

こうしたときには、カウンターを離れてお客さまの目線まで近づいてご案内したり、メニューを手渡ししたりすることで、ずいぶん印象が変わります。

 

また、「セルフサービスですので、お水はご自身でお取りください」という一言も、場合によっては配慮に欠けた印象を与えてしまいます。

 

対応がマニュアルに偏っていると、柔軟さに欠ける接客になってしまいます。

 

価値観が違う相手にはことばで発しないと伝わらない

 

 

 

 

経験豊富な接客スタッフであっても、「自分なら分かるから相手も分かるだろう」という思い込みをしてしまいがちです。

 

しかし価値観が違う相手にとっては、説明や言葉がないと伝わりません。

 

部下やスタッフへの指導においても、「なぜその対応が必要なのか」をきちんと言葉にし、模範を示していくことが大切です。

 

チームで「どうしたら誰もが安心して利用できるか?」を考え実践することで、誰にとっても居心地の良い空間が生まれます。

 

まずは一歩。

 

お店側が気づき、声をかけ、行動することから、バリアのない接客は始まります。

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