【車椅子ユーザー集客の新常識】トイレ・駐車場の近隣情報を活かす「こころのバリアフリー」戦略
バリアフリーアドバイザーの白倉栄一です。
車椅子利用のお客さまがお店に来店したいという連絡が入ったと仮定します。
ただ、自店には段差こそないものの、多目的トイレや障害者用駐車スペースがない場合、来店は難しいと思い込んでいませんか?
実は、近隣情報を把握しておけば、来店のハードルは大きく下がるのです。
しかし、そこには注意すべき落とし穴があります。
それは「利用できる時間帯」の確認です。
正しい情報を持ってこそ、こころのバリアフリーは実現します。
【問題提起】公共のトイレは意外に早く閉まる
車椅子で利用できる多目的トイレは、街中には決して多くありません。
そのため頼れるのは公園や公民館など公共施設ですが、これらの施設は利用時間が限られていることが多いのです。
例えば都内の公園では、16時や17時にはトイレが施錠されてしまうことがあります。
まだ明るく、子供たちが遊んでいる時間帯でも、車椅子ユーザーはトイレを使えないのです。
情報を案内する側が、こうした時間制限を把握していないと、「いざ」というときに困るのはお客さまです。
【体験談】24時間駐車場でも使えない落とし穴
もう一つ注意すべきは駐車場です。
特に立体駐車場は、夜間にエレベーターが停止することがあります。
私自身、何度もこのトラブルに遭遇しました。
例えば友人と22時過ぎまで食事をして、24時間営業の駐車場に戻ったところ、エレベーターが停止。
係員に確認すると「車椅子利用者は21時頃までに戻ってきてください」と言われ、階段しか使えない状況に。
事前に掲示がないケースも多く、結局友人に助けてもらい、車椅子を押し上げてもらって2階までたどり着きました。
こういった経験から、私は今、駐車場の利用時間を必ず確認するようにしています。
「24時間営業」と書いてあっても、車椅子ユーザーにとっての24時間ではないことを、ぜひ知っておいてほしいのです。
【提案】利用可能時間帯の確認が信頼をつくる
こうした現実を踏まえると、自店に多目的トイレや専用駐車場がなくても、近隣の施設を案内できる準備をしておくことが大きな価値になります。
ただし、それには正確な利用可能時間の確認が不可欠です。
間違った情報を案内してしまえば、かえってお客さまの信頼を失う結果になります。
逆に、正しい情報を提供できるお店は、「こころのバリアフリー」ができているお店として、お客さまの心に残ります。
【まとめ】
- 近隣のトイレ・駐車場情報は、段差のないお店の強い味方になる
- ただし、利用可能時間を正確に把握することが重要
- 正しい情報提供は、お店の信頼度を高め、車椅子利用者の集客につながる
- バリアフリー改修が難しくても、こころのバリアフリーは実践できる
【メッセージ】
あなたのお店は、車椅子ユーザーにとって「行ける場所」ですか?
設備だけに頼らず、近隣の正しい情報を持つことで、来店の選択肢を広げることができます。
ぜひ一度、従業員の皆さんと一緒に、周囲の情報を見直してみてください。
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