立体駐車場における身障者用駐車スペースの鬼門とは?
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車椅子ライフデザイナーのまおうです。ショッピングモールなどによくある「立体駐車場あるある」をご紹介します。今後出店するショッピングモールの立体駐車場の建設においては、ぜひとも何らかの対応をしていただきたい課題です。
身障者用駐車スペースの大きさは3.5M必要
車椅子を利用している方が、なぜ身障者用駐車スぺースを利用しなければならないのか?を再度お伝えします。これは一般の駐車スペース2.5Mだけでは、車から車椅子に乗り移るスペースが足りないんです。
ここで想定されるのは、車椅子利用者が一般の駐車スペースにとめても、隣に車がいたらドアを全開にすることができないので、車椅子へ乗り移れません。もし隣に車がとまっていない場合は、車椅子へ乗り移りすることが可能ですが、ショッピングをして戻ってきて隣に車があったら、車に乗り移ることができません。つまり隣の車が戻ってくるまで帰れません。
そのために一般の駐車スペース2.5Mに約1Mの乗り移りスペースが必要なんです。全体では3.5Mのスペースがあって身障者用駐車スペースとして成り立つのです。または隣に車がとめないスペースがあれば、もし身障者用駐車スペースがなくても大丈夫です。
立体駐車場を利用することのトラブルが発生する
ここで本題に戻しますと、よくある立体駐車場が1階→2階→3階・・・と空きスペースがあるのかどうかを確認していく形ではなく、空きのスペースがある階に一気に上っていくケースです。確かに従来の立体駐車場より便利です。
ところが、この場合に想定されるのが、一般の駐車場は「満」「空」で表示されていても、身障者用駐車スペースの表示は「有」という表示だけですので、空いているのか分からないのです。
例えば、4階と5階に身障者用駐車スペースがあるとします。4階の一般駐車場は「空」と思って、いざ進入すると身障者用駐車スペースにはすでに駐車している車がありました。その場合、5階の身障者用駐車スペースには行けないんです。なぜなら上の階に行く道がないんです。
立体駐車場においては身障者用駐車スペースの「空」が分からない
車椅子ユーザーの友人は、わざわざ下まで降りるのが面倒臭いから、進入禁止のマークがついていても、無理やり逆走して上の階に行くと言っていましたが、万が一事故が生じたら責任を取らざるを得ません。
仕方がないので一度出口まで行き、もう一度駐車場の入口からやり直します。この間5分以上かかるケースもあります。場合によっては、ショッピングモールから一般道に出て敷地をグルリと外周する場合があります。
これが1回とは限りません。他の階でなければまたやり直しです。2回やり直したら、今日はもうやめた・・・と思うのがほとんどです。こういった気持ちがあるということをぜひとも設置の際に考えて頂きたいと思っております。
もちろんコストはかかってしまうので、身障者用駐車スペースの「満」「空」表示をきちんと設置するのは難しいと思われます。しかし、設置してあるスポットもあります。羽田空港の駐車場については、各階に身障者用駐車スペースの駐車状況を示す電光掲示板が用意されております。
施工時における車椅子ユーザーの声を聞いていただきたい
店舗の問題ではなく、施工業者のノウハウだと思っております。そういった点を踏まえて検討することも、知識の上では必要になるはずです。些細な部分は当事者である車椅子ユーザーの声を聞いてみると、知らなかったことがたくさん出てくると思います。それがバリアフリー化推進の際には役に立つはずです。
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