こころのバリアフリーのはずが過剰反応になってしまうケースとは?
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あなたの会社の『バリア解消』請負人 白倉栄一です。
接客・応対をする立場において、障害者・高齢者への対応がどうしても過剰になってしまう人がいます。
例えば、車椅子に乗っているから困っていると判断して、強引に車椅子を後ろから押そうとする人。
「自分で漕ぎますから大丈夫です」と言われても、「押させてください」とゴリ押しする人など。
相手の気持ちを確認することなしに、「私があなたをどうしても助けてあげたい」と強い正義感で臨んでいる人がいるとしたら、ちょっと過剰反応になっているかもしれません。
もっと相手の気持ちを考える行動する必要があるかもしれません。
そういった部分が改善されれば、想いはある人なので、より丁寧な対応ができるようになるでしょう。
健常者から障害者になったことで感じ方が大きく変わる
私は24歳の時に交通事故に遭い、それ以来車椅子生活をしています。
車椅子生活は22年ですが、健常者としての生活も24年ありました。
そのため健常者としての目線、障害者としての目線を持っています。
あとは長年のサラリーマン生活において、企業内での人事・総務・教育・経費管理、そしてお客さまのクレーム責任者という立場などを経てきたこともあり、企業側からのお客さま対応の目線も持っているつもりでいます。
この3つの目線から考えたときに、お客さま対応におけるこころのバリアフリーは、お客さまに対して「上から目線」のように感じ取られないことが重要なポイントです。
私自身が健常者から障害者になってから、かわいそうと思われている視線をよく感じることがあります。
「だから助けてあげよう」「救ってあげよう」といった上から目線で接近されるのが、妙に嫌な気分になることがあります。
上から目線で迫られるとコミュニケーションにならない
もちろん手助けしていただけることはありがたいのです。
でも車椅子に乗っているから「困っている、かわいそうだ」という目線で迫られてしまうと、あまりいい感じはしないものです。
しかもその人の頭の中は「救おう、助けよう」が強いがあまり、こちらが「いいえ、結構です」と言っても、「我慢しないでください」と聞き入れていただけない場合もあります。
中には逆切れを起こす人もいます。
「あなたが困っているから私が声をかけてあげたのに、なぜ断るのか?」
そうなると恩着せがましい人となり、逆に面倒くさいタイプだと思われてしまうでしょう。
まさに接客業としては、逆効果です。
無関心もよくないが過剰反応もよくない
もちろんいろいろな面において、困っている人を見かけても無関心であることはよくないことですが、勝手に困っていると判断してしまい、過剰反応をすることもをちょっと度が行き過ぎているかもしれません。
私のセミナーを受講した方には、以前このような人がいました。
障害者や高齢者を見た途端「どうしても放っておけないので、何とか私が救ってあげないといけない」と正義感たっぷりになってしまう人がいました。
特にお客さま対応を考えると、あまりにも張り切りすぎてしまうタイプは、お客さまから嫌われてしまうでしょう。
過剰反応してしまう人への教育はとても難しいと思いますが、スイッチを強から弱に変えるくらいでちょうどいいかもしれません。
だからといって、優しい気持ちを決してゼロにする必要はないでしょう。
むしろ要望があったらフォローするとか、困っているかどうかの様子を見たうえでフォローするといった対応が適切ではないでしょうか。
きっとその優しい気持ちを大切にして、コントロールできるようになると、相手の気持ちをうまく掴める接客・応対に優れた人になるかもしれません。
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