設備だけではリピーターにつながるバリアフリーにならない理由とは?
Contents
あなたのお店の『バリア解消』請負人 白倉栄一です。
多くの人は、
「設備がしっかりしていれば
バリアフリーだよね」と言うでしょう。
確かにその通りかもしれません。
でもそこがお店だったらどうでしょう?
お客さまのために
丁寧な対応をしてくれるから、
「また行きたくなる」のでは?
私は車椅子利用者ですが、
お店を利用するときには、
どうしても「安心感」を求めたくなります。
なぜなら世の中のお店は
残念ながら車椅子で入れない
バリアだらけなんです。
私は車椅子利用者になってはじめて
気がつきました。
そのため何も情報のないまま
お店へ行っても難しいことは
たくさんあるんです。
残念ながら行った先で
「うちのお店は通路が狭いから
車椅子利用者はダメ、ダメ」と
高圧的な態度で
お断りされたこともあります。
だからこそ
「あの店だったら車椅子でも安心だよね」
「多目的トイレもあるし、
従業員の方々の対応もいいし、
また行きたいね」
と思うんです。
それがお店にとって
リピーターにつながったりします。
そうなれば
売上につながるだけでなく、
人の優しいお店となり評判にもなるんです。
このメリットって
ものすごく大きいと思いませんか?
「あなたのお店だから行きたい」と言われるようになる
私が総合スーパーの課長時代に
あったことをご紹介します。
目が不自由なお客さまが
当店によくお買い物にいらしていました。
事前にお客さまから電話がかかってきて、
「今からタクシーで行きますので、
お店の入口に来ていただけませんか?」
と連絡が入ります。
その電話を受けてから、
サービスカウンターへ電話をつないで、
サービスカウンター担当者が
入口へ向かって、
お買い物のアシストをしていました。
お店でのお買い物時間は、
1時間~1時間半で、
対応している人にとっては長いのですが、
サービスカウンター担当者は
優しい方々ばかりでしたので、
それを気に入っていただき、
毎回当店をご利用されていました。
しかも目が不自由であることから、
毎回まとめ買いをされていたので、
年中外出してお買い物に行くことが
できなかったのかもしれません。
これはお客さまにとって
「安心感」があったから、
当店を利用して
くださっていたと思います。
手前味噌になりますが、
当店のサービスカウンターのメンバーは、
北関東の店舗の中の接客・応対コンクールで
トップクラスになっていました。
従業員1人1人がお客さまに対して、
どうしたら喜んでいただけるのかを
常に考えて行動している
結果でもありました。
そういった積み重ねがこそが、
お客さまにとって、
バリアフリーの設備以上に、
居心地のいい環境となり、
お客さまから選ばれるポイントに
なっていたと思っています。
日本1周のバリアフリー調査をしてわかったこと
私は2年前に
日本1周のバリアフリー調査をして
わかったことがあります。
設備がしっかり整っているのに、
接客・応対面がものすごく残念な
店舗や宿泊施設を見てきました。
せっかく設備のバリアフリーが
しっかりしているのに、
なぜかまた行きたいと思わないんです。
やっぱり人の対応が大事なのかも
しれません。
そこで思うことは、
せっかく設備がバリアフリーという
貴重な場所であるのに、
人の対応ができていないのは
非常にもったいない点です。
もし人の対応ができていれば
全国を探してもほとんど見つからない
設備もマインドも整った
『真のバリアフリー』のスポットに
なると思います。
お店にとって大事なことは
1度利用されたお客さまが
「またお越しになりたい」と
思うかどうかでしょう。
まさにリピーター化につなげられるかが
大きなポイントに
なるのではないでしょうか?
きちんと教育をすることで全体のモチベーションのアップを目指す
ではどこに課題があるのかを
考えると、そこに欠けているのは、
1人1人のモチベーションではないんです。
企業において教育そのものが
意識されていないように
思えてならないんです。
厳しいことを言えば、
設備のバリアフリーだけにしか
考えられていないのかもしれません。
そのためホームページには
「当ホテルはバリアフリーに
力をいれています」
と書いてあったからです。
確かに設備面は
充実していたように思えました。
でも肝心なのは
心のバリアフリー面でもあります。
もちろんスムーズにできる人もいますが、
できない人もいます。
でもお客さまはできる人のときに
来店されればいいですが、
できる人がいないときに来店されれば、
がっかりしてしまうでしょう。
だから全体の教育が必要になるんです。
でも難しいことではありません。
従業員のモチベーションを
上げていくための教育をしていくことで、
大きく変わっていくでしょう。
教育を通して、
「こういったときには
どうしたらいいか」など
お客さまに喜んでいただけるための
アイディアがお互いに
考えられるようになったら、
きっとよりよいサービスが
生まれてくるでしょう。
そこには従業員の皆さまが、
自発的に改善活動ができるようになり、
チームが活性化されていきます。
それが従業員満足につながり、
お客さまにとって「安心感」がある場所になり
お客さまの満足につながっていきます。
そのため『真のバリアフリー』は、
①設備の充実と運用の満足
②従業員満足
③お客さま満足
この3つがあって達成できて、
他のどのお店よりも
素敵なお店だと
思われるようになるでしょう。
関連する投稿
- 車椅子利用のお客さまでも笑顔で応対できる強み
- バリアを壊していくには既存のイメージを変えていくこと
- 車椅子利用者に対してのセルフサービス型店舗の対応とは?
- 車椅子利用のお客さまが増える中でのこころのバリアフリー対応
- 店舗の集客につながるバリアフリーの前に気づいたほうがいいこと
現在の記事: 設備だけではリピーターにつながるバリアフリーにならない理由とは?