「障害者雇用と通勤配慮|柔軟な働き方を支える企業の在り方とは」
サラリーマン時代に、障害者雇用の実態について調べてみたことがあります。
ある大手企業の求人では、勤務地は山手線沿線にあるにもかかわらず、「公共交通機関で通勤できること」が応募条件として記載されていました。
当時、私自身は車で通勤していたため、この条件を見たときに「実質的に難しいのでは?」という印象を受けました。
というのも、車椅子で山手線の通勤ラッシュに乗るのは現実的に困難だと思っていたからです。
「気合があればできる」と考える方もいるかもしれませんが、実際にラッシュ時に電車を利用するのは非常に厳しいのが現実です。
時差出勤を活用すれば可能性はありますが、それでも制限は多いでしょう。
だからこそ重要なのは、「一律のルール」ではなく、「ケースバイケースの対応」です。
自家用車を使えないと働けない現実
私の知人は、大手企業の採用試験時に「障害者枠では昇進がない」と聞き、あえて一般枠で受験し、入社しました。
しかし一般扱いのため、車通勤は認められず、通勤には苦労しているとのことです。
何本も電車を乗り継ぐのは大変なので、会社近くに車を停めて内緒で通勤していると話してくれました。
企業の本音は分かりませんが、「一律のルール」に縛られることで、働きづらさが生まれるのは事実です。
障害のある方にとって、自家用車は生活の足であり、働く手段でもあります。
駐車場の確保が難しい場合もありますが、通勤方法に柔軟な配慮をすることが、仕事のパフォーマンスを高める要因になると私は感じます。
クルマNGなら時差出勤の導入を
私自身、茨城から東京に行く際は車を使うことが多いですが、目的地に身障者用駐車場がない場合は電車を利用します。
駅員さんはとても丁寧に対応してくれますが、朝のラッシュ時の電車は車椅子では利用困難です。
これはベビーカー利用者でも同様で、混雑時の配慮は現場任せでは限界があります。
そのため、車椅子利用者や育児中の方に対しては、時差出勤などの制度設計が必要です。
企業が多様な事情を汲み取る柔軟さを持つことは、働きやすさに直結し、結果的に離職率の低下にもつながるでしょう。
形式だけでなく、本質的に「人に優しい職場」を目指す企業が、これからの社会に求められていくのではないでしょうか。
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