「車椅子で来店したいんですが…」と言われたら? 店舗側の“困った”を解決する2つの駐車場対策
車椅子ユーザーの数は確実に増えています
最近、車椅子で外出している人を街中でよく見かけませんか?
私は27年間車椅子で生活をしていますが、この5〜10年で、明らかに街で見かける数が増えたと実感しています。
移動手段は人それぞれです。
電車やバスなどの公共交通機関を使う人もいれば、自家用車で移動する人も増えています。
中には、運転免許を持ち、自らハンドルを握って移動する方もいます。
また、家族や介助者が運転する車で一緒に出かけるケースもあります。
「車椅子で行ってもいいですか?」と聞かれたら
あなたのお店に、こんな電話がかかってきたとします。
「車椅子の家族を連れて伺いたいのですが、車で行っても大丈夫でしょうか?」
ところが、店舗には身障者用の駐車スペースがない…。
「どう対応すればいいのか分からない」と悩む方も多いかもしれません。
でも実は、簡単に対応できる方法があるのです。
【1】一般の駐車スペース2台分を活用する
乗り降りのスペースを確保するためには、一般用の駐車スペース2台分を使うという方法があります。
これは一時的な対応として、とても現実的です。
身障者用の駐車場は通常3.5mほどの幅があるのに対し、一般用は2.5mしかありません。
つまり、2.5m×2台分=5mを使えば、十分なスペースが取れるのです。
重要なのは、2台のスペースをまたぐように中央に駐車すること。
片側に寄せると、隣の車にぴったり停められ、車椅子の出入りができなくなる危険があります。
【2】近隣にバリアフリー対応の駐車場があるか確認する
もし店舗に駐車場がない場合は、近くにあるコインパーキングを事前に調べておくと安心です。
特に「身障者用駐車スペース」がある駐車場は、検索しても数が限られており、非常に貴重な情報になります。
30ヶ所の駐車場がヒットしても、条件を絞ると1ヶ所あるかないか、というケースもあります。
そのため、あらかじめ候補をピックアップしておくと、お客さまに喜ばれるはずです。
車椅子でも利用しやすい「ゲート式コインパーキング」
おすすめはゲート式のコインパーキングです。
理由は、地面に設置されたロック板がないため、車椅子の出入りがしやすいからです。
また、車の横に1m以上のスペースが確保されていれば、安心して乗り降りができます。
できれば、端のスペース(外側)を使えるとより安全です。
現地調査やコンサルの活用も効果的
「実際どの駐車場が適しているか分からない…」そんなときは、車椅子利用者と一緒に現地で確認するのがベストです。
もしくは、バリアフリーの専門家やコンサルタントに相談することも有効です。
駐車場だけでなく、店舗全体の見直しにつながり、「誰にとってもやさしいお店づくり」へと近づくはずです。
まとめ
車椅子利用者にとって、「駐車できるかどうか」は、来店できるかどうかを左右する大きなポイントです。
ぜひ、ちょっとした工夫で「また来たい」と思ってもらえるお店づくりをしていきましょう。
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